スマイルカーブが笑っている
スマイルカーブ、U字カーブともいいますが、ご存知の方も多いでしょう。栃木の漫才コンビさんのことじゃありませんよ。パソコン産業を川上から川下へと横軸に並べて、縦軸に付加価値をとるとU字を描くというもの。台湾エイサーのスタン・シー会長の理論です。
開発などの川上とマーケティング、販売サービスの川下は利益が大きく、まんなかの組み立て産業は加価値が低いというものです。パソコン業界に限ったわけじゃない。
先日、取引先のメーカーK社の営業部長がこう言うのです。
「スマイルカーブの右半分のマーケと販売は代理店さんにお願いし、ウチは左半分、開発にシフトします」
耳を疑いました。今後の取引きを控えようかと思ったほどです。
マーケや顧客サービス、泥くさい現場で汗をかくのは代理店任せにして、その情報を吸い上げて自分たちは机の上で仕事をする。それでニーズをとらえた開発や新しい商品がうまれるとはとても思えない。
川下から川上へと情報をフィードバックさせてつなげる。このふたつをもってはじめて強みがでる。片手落ちじゃつながらない。川中を外に出すというのならまだわかりますが。
よくよく聞いてみると、K社の営業にプロがいなくなったのだそうです。人数も少なくなったし、新入社員や研究所からまわってきた人が半分以上、「ヒヨッコ」さんで、外ではまだ独り立ちできない。
「これをデジタルマーケティングでカバーする!」
大丈夫でしょうか。スマイルカーブが笑ってますよ。