人の話を最後まで聴くのは大変だ
トシヨリのバイブルだと思っているのが池内紀さんの、「老化早見表」(すごいトシヨリBOOK)です。今日は「横取り症」についてです。
在宅、テレワークが始まって1年以上、朝夕の短い時間で、予定やら簡単な報告など雑談を交えたwebミーティングを続けています。新入社員から部長まで10人ほど、時間のとれる人が参加する。
MCをやってると、ヒトの話を最後まで聴くというのがトシヨリには大変なんだというのが、身をもって、よくわかります。
若い人の話をつないで、言いたいことが他にもあるんじゃないのか、それを聞き出すのが大きな役目。話のなかでひとつのポイントを選んで質問したり誘導するようにしています。
ありがちなのは、「話を最後まで聴く」というのをつい忘れて、途中で口をはさみ、聴く側が話し手に変わってしまうことです。役目を忘れて、自分の話に持っていきたくなる。
もうひとり、トシヨリがいます。Iさん、過去に経験したなかで、彼が語れる「ことば」を耳にすると、話の途中でもすぐに割り込んできます。失敗談も
成功例も雑談も、もちろん参考になることもあれば自慢話だけのことも。雰囲気がやわらぐのもいいのですが、話し手からどんどん遠ざかるし、時間も過ぎる。その話を切って、戻すのに一苦労します。
池内さんは言います。
「人の話に口を挟むのは、だいたい力のある側です。親と子だったら、親が子どもの話を横取りする」
なるほど、年齢もあるけれど、相対的な力関係もある。
「(子どもは横取りされて「はい」と言って逃げるけれど)話を聴いてくれない人に言ってもしょうがないから、何も言わないだけ」
ということは、親の話は聴いてない。
「日本人の『横取り症』体質は、社会全体の問題です」
とまで指摘しています。
そういえば、「聞く力」という名の、その手の本がたくさん出版されてますよね。読んだことはありませんが、皆が意識する問題なのでしょう。
「横取り症」は「老化早見表」で第一段階、初期の老化現象に分類されてます。若いうちからその「素養」が醸成されていくのでしょうか。