撃ったミサイルの数をかぞえる
数を数えて引き算をすると、残りはこのくらいしかないはずだ。説得力のある説明だし、当事者にとっては、残りがゼロに近くなるのを耐え忍ぶ支えにもなる。半導体不足が足をひっぱって追加生産がままならず、ロシアのミサイルは枯渇に近いという。
①1844-1235=609(33%)
②900-776=124(14%)
③500-228=272(54%)
④444-231=213(48%)
左辺は侵略前にロシアが保有していたミサイルの数、それから撃ち込まれた数を引く。右辺は推定残数と残存率だ。①は精密誘導ミサイル、②は弾道ミサイル、③と④は巡航ミサイルでそれぞれ、海上発射と爆撃機発射(毎日新聞)。
撃ち込まれた側は戦火の中で、数をきちんと数え、種類を判別し、冷静に記録する。
わたしは戦争を知らない。戦争ってこういうものなのだと気づいた。当たり前かもしれないけれど、相手を知らなければ戦争はできない。
クリミア大橋爆破の「しかえし」は一段落し、当面大規模な攻撃は行わないと大統領はいう。上の数字から見ると、なんだ、弾切れか。
今年8月、アメリカのペロシさんが台湾を訪問した。中国は主権侵害だとばかり、台湾近海で軍事演習をおこないミサイルを撃ち込んだ。その数は9発だった、と日本の防衛省が発表した。台湾は11発だという。両国で情報のすり合わせはしなかったらしい。
日本のEEZ域内にも着弾したから、日本も当事者である。緊迫度は台湾が大きいのは当然だ。中国はアニメで16発だと言っている。この数の精度で防衛力が推定できる。さて、どちらが正しいのだろうか。撃った中国は冷静に見ているだろうなあ。
もどって、撃ち込まれた国の国防相は「ロシアの非武装化がすすんでいる」とミサイル枯渇をツイッターで皮肉っている。数字の発表は諜報・情報力の推測につながる。それをあえて言うのは、民の忍耐の支えと挑発による弾切れ誘導の戦術だろうか。