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100点を期待しているわけじゃない

「面接慣れしてますか?」と思わず聞いてしまった。5回目の転職という彼、過去勤めていた会社の製品をカバンから取り出しての説明はわかりやすかった。が、すみません。100点を期待しているわけじゃないけれど、かなり遠かった。

マネージャー候補にひとりと若手20歳代にひとり。社内でも外でもいいから補充をしてほしいと人事部にお願いして半年。内は、今はむずかしいといわれ、じゃあ外でと、紹介をうけて面接を繰り返している。

若い人には伸びしろを、中堅には即戦力を第一に見させてもらっている。今日は30歳半ばの男性でした。

面接で聞かれることはいつも同じなんでしょう。「これまでどんなことをやってきたのですか?」、ウチも同じです。そうすると、おもむろにカバンからポリ瓶に入った黒い液体と小さな直方体のサンプル、それに写真を数枚取り出した。

実物や写真があると説明がわかりやすい。

「面接慣れしてますか?」と思わず聞いてしまったほどです。営業上、サンプルや写真を取り出して説明するのはよくあること。けれど、就職の面接試験に前の会社、それも4社の「モノ」を持ち込んでの説明は初めてだった。

意外性と準備には点数をあげたい。軽いしゃべりと柔らかさも悪くはない。そこそこの仕事はやってきたみたいだけれど。

いろいろ聞いていくうちに、仕事に深みがない。どうもご本人、ちょっと仕事がわかってくると、それ以上の努力をしないんじゃないかと思えてきた。

いま100点は期待しないけれど、5年後、10年後に期待したい彼の姿が描けない。ごめんなさい。ご縁がなかったということでお断りしました。