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ちゃんぽん好き

「Rハットのがいちばん」
佐世保出身のHさんが言う。

明治30年ころ、中国人留学生のために安くてボリュームがあり、栄養のある食べ物として考案したと「ちゃんぽんミュージアム」(四海樓)に記されている。残り物の食材をごちゃ混ぜにしてつくったものという。
九州地区の営業担当になったときだから30年以上も前のこと、地元の代理店の人と肥前鹿島の近く、田舎の道端にあった食堂のちゃんぽんが食べ始めだった。山盛りの野菜の上に生卵をポンと割ってのっける。あつあつのスープでまわりは白くなっても卵黄は半生。うまかったなあ。

以来、長崎、佐世保、佐賀、お昼はちゃんぽんを選んだ。

佐世保駅のガード下にちゃんぽん店が並んでふたつ。右か左か、食べ比べた。地元のHさんに聞いた答えが「Rハット」だった。うーん、そんなものか。自分のなかでは結論が出なかった。

先日長崎に旅行に行った。カステラ巡りの娘たちとはお昼前に別れ、さあ、ちゃんぽんだと近くの店に行くと、もう、並んでいる。開店まで30分ほど、他に行っても同じだろうと後ろについた。で、ちゃんぽんとビール。ここも旨かった。

発祥のお店のも食べたし、中華街のも、駅前のも。数えきれない。わたしの中では肥前鹿島のが最高点だけど、初体験だから少し割り引かないといけないだろう。

帰り、大村空港の手前でレンタカーにガソリンを入れ、となりのスーパーに寄ってみた。「Rハット・カップちゃんぽん」が並んでいるではないか。初めて見た。6個お土産にし、家に帰ってすぐ食べてみた。

で、どこのが旨いかって?
麺はやわらかめ、具はごちゃ混ぜ、スープは濃いめ、こうなると差が出にくい。
高貴な方の答えのように、どの店のも美味しゅうございます、カップのも。