「はい、たぶん」
人の採用は、会ってみないとわからない。人材センターから送られてくる履歴書やこれまでの経歴説明、それにセンターのコメント。失礼ながら流し読みです。会って応募者の本心、本音を聞きだしたい。面接は、1時間1本勝負です。
今は営業部のマネージャー補佐クラスの人材がほしい。40歳前をオファーして、ぴったり35歳のひとが応募してくれました。
面接にあたってこちらが知りたいのは転職の動機です。これをきちんとお話いただいてから、つぎにすすめます。今回の方は、公務員を希望したが最初はかなわず、いったん時間をおいて再就職した。ところが、あこがれていたのと仕事の内容がちがう。もういちど民間の会社に勤めたいという。
35歳といえば、大卒であれば20年以上仕事を経験してることになります。実直そうで、人当たりもわるくない。ただ、丁寧に説明してくれるからだろうか、少し話が長くって、強弱がない。
◎じゃないけれど、まあ〇にちかい。でも、こういう人って、うまく伸びるか、そのままか、判断がしにくい。もう少し、内にあるものを出してほしい。
こちらが欲しい人材像を手短に説明しました。即戦力の営業マン、それにマネジメント力を期待するが、経験がなければ片鱗がみえればよい。仕事がかわっても、前向きに積極的にとりくんでくれる人かどうか。
「これまで経験から、仕事がかわって、ウチの会社に貢献していただけますか?助けてもらえますか?」
「はい、たぶん」
えっ? 強く、できますと言ってくれないの?
営業とは自分を売ること。多少は盛っても、自信をもって売り込んでもらわないと、買えません。