「あったらいいな」と「なくてはならない」
「あったらいいな」
この言葉、テレビなどで耳にするたびにいつも気になってました。
「あったらいいな」だとなかなか商売につながりにくい。その程度じゃ買ってくれないのではと思いませんか?
ニッチな分野の商品を、スピード感をもって開発し、新市場をつくりあげることで高い収益をあげているK製薬。その会社がなぜ
「あったらいいな」
という言葉をつかうのでしょうか。
「あったらいいな」とは
「なくてもできているけれど、あったらあったでいいかもしれませんね」
その程度にしか思えません。
「なくてはならないもの」
「なくてもなんとかできているけれど、それをつかうとメリットが出るのでもう元にはもどせなくなるもの」
とアピールしたほうがいいのではないかと思っていました。
ところがあるとき、これは顧客にアピールしているのではなく、自分に言っているのではないかと気がつきました。
K製薬の事業ドメインは家庭用品の製造販売。市場と現場が自分と自分の家にある。自分の身の回りを見つめることで商品開発のヒントがえられ、またそれを身近に自分で確かめることができる。これが最大のメリット。
大上段にかまえず、思いついた商品をカタチにして市場に出す。開発マインドを継続させるのが一番大事なこと、評価は客がきめることだと。
これが自社の強みを最大限に生かす、「あったらいいな」の原点なのではないでしょうか。