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「日本海側美人県ひとつとび説」(阿刀田高)を検証する
前から気になっていたのが、阿刀田高さんの「日本海側美人県ひとつとび説」。北海道からはじめて、ひとつとばして秋田県、とばして新潟県、とばして石川県というふうにひとつとびで美人の多い県がつづくという。短編の題名は失念しましたが、阿刀田さんが言うといかにもそのように思えてきます。
P化粧品がおこなう「美肌県グランプリ」というのがあります。毎年発表しているようですが、今年は石川県が1位だそうです。つづいて秋田県、山梨県。美肌にもいろいろあって、ハリ、キメ、水分量などの観点からつけた総合ポイントらしい。
P化粧品美肌県グランプリの過去の1-3位と阿刀田説との相関をみてみると(※印は阿刀田説です)
2014年 島根※、高知、愛媛
2015年 島根※、山形、愛媛
2016年 広島、島根※、鳥取
2017年 富山、石川※、秋田※
2018年 島根※、秋田※、石川※
2020年 石川※、秋田※、山梨
なるほど、美人と美肌が相関するのであれば、阿刀田「美人県」の入賞が多いですね(56%)。それと日本海側県が多く、2/3を占めます。
ここまできたら、ついでに日本海側各県の美肌偏差値(発表されている!)の平均値(2014-2018、5年間)をとって並べてみましょう。
(○印は隣の県よりもスコアが高い)
北海道 51.7 ○
青森 46.8
秋田 64.0 ○
山形 57.7
新潟 57.8 ○
富山 64.7 △
石川 63.8 ○
福井 48.7
京都 56.1 ○
兵庫 50.5
鳥取 53.0
島根 71.9 ○
山口 47.0
福岡 48.5 ○
なんと、富山県を除けば、「県ひとつとび」がぴったりあてはまるではないですか(兵庫県が微妙ですが、阿刀田短編でもカウントされてなかったような気がします)。
これで、P化粧品「美肌県グランプリ」から阿刀田説が検証されたといっても間違いないでしょう。
先日ニュートリノを検証したノーベル物理学賞の小柴さんが亡くなりましたが、理論を実証したような気分になりました。