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「中小企業のおやじ」さんの生きがいは仕事

10年以上前だったと思います。東京駅八重洲の新幹線切符売り場を通りかかったとき、窓口で小太りのお年寄りが切符を買っていました。見たことがある人、そう、鈴木修さん、スズキ自動車社長に違いありません。

「えっひとりで?」
周りにお付きはいなかったように思います。切符をうけとって改札口に向かいました。

今回、現役を辞し今後は相談役としてまっとうするといいます。92歳です。
「生きがいは仕事。人間、仕事を放棄したら死んでしまう。挑戦することは人生だ。皆さんも仕事をし続けてください。」(毎日新聞)

欧米アジアに展開するI社のI会長、この方も92歳とご高齢ながら、社長職は譲ってもバリバリの現役CEO。先日お話を伺う機会がありました。いつものことながら座ったとたん、すぐに仕事の話が始まります。巷の情勢など一番最後、自社製品の売り込みファーストです。

鈴木さんは自らを「中小企業のおやじ」と言っていました。オーナーですから会社の成否は自分にそのまま振りかぶってくる。だから、寝ても覚めても「仕事」からは離れられません。

起業セミナーとは知らず講演をすることになったビル・ゲイツさんが、参加者の目的を主催者から聞いて笑い出したそうです。
「役に立たないよ。そんなヒマがあったら売り方を考えて、ひとつでもふたつでも売ってくることだ。」

彼も「中小企業のおやじ」なんですね。

彼らのような桁違いの「仕事好き」に、ひと味ちがう人間的魅力を感じるのはわたしだけではないでしょう。