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辞書は紙のがいい
国語にしろ、英語にしろ、ロシア語にしろ、使った辞書はもちろん紙だった。その後電子辞書が出た。中国語も入ってしかも軽い、持ち歩けるとこれを買った。けれど、出張先では勘と気合でやり過ごし、引くことはほとんどなかった。今はスマホのアプリで事足りてます。
はやくて便利だけれど、どうも辞書引きした感じがしない。検索履歴は残るらしいが、マーカーのラインづけや、書き込みができない。これがアプリの欠点でしょう。机にすわって辞書引きするなら、やっぱり紙かなあと原点回帰した。
紙の国語辞書を3種類もっています。会社に1冊、家の机とテーブルの近くに1冊ずつ。おもな使い道は、同音異義語と熟語の漢字確認です。そのほかに、このふたつを加えました。
同音異義語とその近所にある、似た読み方をする別な熟語をピックアップする。
歯痛:歯の痛み
止痛:痛みを止める
私通:夫婦でない男女がひそかに情を通じること(新解さん)
「歯痛の通院はいつも同じ時間帯の予約、そこで知り合ったのが縁で事がすすんだ...。遊びのつもりが火傷、痛み止めは高くついた?」
これでショートショートが描けないかと、ひとりで楽しんだりしてます。
もうひとつ。あまり目にしない語彙は、その用例を辞書に書きこんだりメモや切り抜きを貼ったりしてます。
ことほぐ:何かを祝って喜びのことばをいう(新解さん)
これだけじゃね、このことばは使い切りません。で、出典の、この場合は新聞のコラムですが、それをはさんでおく。つぎに引くときは、また別な例を追加します。そう、スクラップブックの索引がわりです。
最初のは向田邦子さん、つぎのは丸谷才一さんのエッセイから、ヒントというより、ほぼ真似させてもらっています。
この「辞書気づき」をもとにnote描きをする。そう思いながら、ズームがきかない紙の辞書引きをやってます。