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リターンマッチ

時間を戻すわけにはいかない。過ぎたことを反省して、ああすればよかったと悔やんでも、もう一度やり直すわけにはいかないのだ。でも、この先、チャンスがあったら、どう行動すればいいのだろうか。

安倍晋三元首相が凶弾に倒れて1年がすぎた。彼は数少ない首相2度経験者だ。1回目は2006年、小泉純一郎さんのあとを受け、52歳で首相になった。が、1年で放り出した。体調不良があったとはいうものの、歯切れの悪い辞め方だった。

祖父の岸信介さんに倣ってか、憲法改正が安倍さんの根底にあるのは周知のとおり。5年後、自民党総裁選に勝ち、2度目の首相を務めることになった。

前回できなかったことを、今度は是非ともやりたい。しかし、憲法改正は2期目の長期在任中にもかなわなかった。凶弾に倒れた時は67歳、3回目を視野に入れていたに違いない。「次こそは」と、理念なのか執念なのかは知らないが。

サラリーマンをやってきて、仕事を成就できなかったからもう一度やらしてくれ、ということはなかった。後の人にまかせて、やりたいようにやればいい、と異動の度ごとにそう思った。

それでいいのだと思う。時は動き、環境が変わる。少し前に「こうしたい」と思ったことも、これからの時代にマッチするかどうかはわからない。行動の表に出るものが時代にあっているかどうかは、顧客が判断する。

日本国憲法は国の根幹である。戦争はしない、という根本を変えてはいけない。ウクライナ侵攻、中国覇権主義など、時代にマッチした対応の行動をするのはやむを得ない。それは世界が判断する。

憲法は動かさず、解釈で対応する。憲法違反ではないか?との議論をしつつ、少しの後ろめたさを残しながらの行動は許される、と思う。

話しがそれた。

過去に失敗したことのリターンマッチ。チャンスがあれば、心の底に溜まっている「反省」を少しは薄められるかもしれない。