生成AI「ChatGPT4」で取り組んだ、63歳からの馬場馬術認定1級
はじまり
私は、年齢は単なる数字に過ぎず、挑戦する心があれば新しい扉が開くことを経験し、実感する事が出来ました。63歳で乗馬技能の認定試験に挑み、全国乗馬倶楽部振興協会が定める1級を取得したこの一年は、私にとって忘れられない冒険でした。そんな事をお伝え致します。1800字程度です。
新しく気付かされた夢
始まりは、日本馬術連盟が公認する馬場馬術の競技会に出場するという夢に気付かせてもらった事でした。これまで約5年間、愛馬「モモ号」と共に過ごしできました。「モモ号」は倶楽部が所有する練習馬で、約5年ほど前は常歩、駈歩といった基本的な歩様が出来る程度で、ほとんど技もなかった馬です。インストラクターの指導の下、一歩一歩人馬で技術を磨き、倶楽部内で開催される競技会で、出場競技レベルを上げてきました。現在は日本馬術連盟の「4課目B」に取り組んでいますが、一時期は売却も検討されたほどです。
新たな提案
ある日、いつもお世話になっているインストラクターが提案してくれました。「日本馬術連盟の公認競技会出場から全日本の大会出場を目指しませんか?」その一言が、私の馬術生活に新たな風を吹き込みました。しかし、その夢の入り口への道のりですら簡単ではありませんでした。そうした競技会への出場には、日本馬術連盟のB級ライセンスが必要で、全国乗馬倶楽部振興協会の1級を取得すればB級への移行が可能。1級取得には、3級、2級と段階を追ってクリアしなければなりません。それぞれに筆記試験と実技が課されるものでした。実技の方は対象課目はクリア可能なレベル以上にいましたが、認知レベルが弱っている63歳での筆記試験は大きな難関だったわけです。
実技と筆記の対比
実技の方は、様々な情報に溢れており、動画などでもサポートされています。筆記は暗記すればよいのです。本来、実技が大切なので、情報が豊富なのはある意味当然です。しかし、特に1級では筆記関係の情報がほとんどありません。これが大きな問題だったのです。
言語の壁
筆記試験は、「レッツエンジョイライディング」という教則本を元に学ぶ必要があり、3級、2級を通過するごとに範囲が広がり、1級ではさらに日本馬術連盟や国際馬術連盟の競技会規程にも及ぶため、独特の専門用語に頭を悩ませました。「ケイダンス」「サプルダンス」といった聞きなれない言葉が続出し、馬術の深い世界に触れることは魅力的でありながらも、学ぶべきことの多さに圧倒されることもしばしばでした。
生成AI「ChatGPT4」の助け
馬の動きのリズムや調和を示す「ケイダンス」という用語があります。その訳語は多岐にわたります。英語では "cadence" と表されるこの用語が、日本語では「カダンス」と読み方さえ2通り。専門用語の訳の一貫性の欠如が学習をさらに困難にしていました。また、「ケイダンス」という用語をそのままGoogleなどで検索しても、これという説明は見当たりません。このため、正確な意味や適切な使用法を理解するのに苦労しました。そんな時、日頃の仕事で使う事のあった、生成AIの力を借りてみることにしました。結果、驚くほど分かりやすく、海外で使われている専門用語も的確に解説してくれるため、学習、根本の理解の助けとなりました。生成AIが提供するグローバルな情報、知見基盤は、私が直面した学習の壁を乗り越えるのに大きな力となったのです。
生成AIの価値
このように生成AIの使い方として、日本にあまり導入されていない文化、カルチャーを日本語でどのように扱えば良いのかなどは、googleなどの検索エンジンだけでは難易度が高く、グローバルな知見を背景に持つ生成AIは非常に有効である事を実感しました。例えば、日本における乗馬人口はさだかな情報はありませんが、10万人とも30万人とも言われています。日本にいる馬は1万5000頭、アメリカでは1000万頭という統計もあります(worldpopulationreview)。情報の格差があるのは当然ですね。
結び
あと何年騎乗し続けられるかは分かりませんが、この経験を通じて、私は人生のどの段階にあっても、新たな目標に向かって努力する事の大切さを再確認しました。歳を重ねるごとに、新しいことへの挑戦は困難かもしれませんが、それによって得られる充実感と達成感は計り知れないものがあります。
これからも「モモ号」と共に、さらに技術を磨いていく所存です。馬術は単に技術を競うスポーツではなく、馬と人との深い絆を育むライフワークです。63歳からの馬場馬術認定1級取得は、私にとってただの始まりに過ぎません。どんな年齢でも、挑戦はいつでも新たな喜びをもたらしてくれるのですから。
今回、強く感じ、皆さんにお伝えしたいのは、挑戦は決して遅すぎるということはない、というメッセージです。勇気と勢いを振り絞りながらの一歩を踏み出せば、想像もしなかった素晴らしい世界が待っています。