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MX4SIOでPS2ゲームをメモリーカードから起動
今回のnoteは特別編ということで、最近話題なMX4SIOについて書いていくよ。
今年に入ってから、日本でもにわかに導入する人が増えたMX4SIO。一言で言ってしまえば、「PS2のメモリーカードからPS2ゲームを起動できるデバイス」だ。おじさんも導入して無事起動することができた。
導入方法もややこしいが、そもそもMX4SIOについてしっかり概要を説明している記事が国内にはなさそうなので、おじさんが書いていくことにする。間違っている部分があったらごめんね。
当然、このnoteを元に実際に導入してみてPS2が故障しても自己責任で。おじさんからはノーサポートっす。
MX4SIOとは
「PS2のメモリーカードからPS2ゲームを起動できるデバイス」とは言ったが、厳密に言うとMX4SIOは「メモリーカード経由でSDカード内のデータを読み込むデバイス」であり、実際にPS2ゲームを起動するには他のソフトを使いこなさなければならない。これについては後程説明していく。
今回初めてPS2改造について調べてみたが、その歴史は非常に長く、HDDからゲームを起動したり、USBメモリーからゲームを起動することもできるらしい。やはりPS2のDVDドライブは故障しやすく、何度もディスクの交換をするのは億劫なため、上記のような方法でゲームを起動するのが流行っているようだ。またHDDからの起動の場合、ローディングが高速になるというメリットもあるらしい。
しかし薄型PS2にはHDDを導入できないし、導入が比較的簡単なUSBメモリーはPS2側がUSB1.1にしか対応しておらず非常に低速であるというデメリットもある。そういう背景があって、USBメモリーよりも高速でかつSDカードの入手しやすさという観点からMX4SIOが流行ってきているようだ。
MX4SIOとMC2SIO
この手の情報をネットで調べていると、MX4SIOという名前だけでなく、MC2SIOという名前のデバイスも見かける。が、どちらも同じものだと思ってもらってよい。
そもそもMX4SIOは、こちらで回路図から3Dプリント用ケースのデータまで公開されているオープンソースプロジェクトだ。もう一方のMC2SIOとは、Helder氏がこのMX4SIOを実際に実装したもので、同氏のWebサイトで販売もされている商品名という扱いだ。
そしてオープンソースということからには、例のごとくAliExpressでもMX4SIOは売っている。おじさんはAliExpressから購入した。
しっかり比較したわけではないけれど、機能的にはこれらは全て同じものと思ってOKだ。
MX4SIO以外に必要なソフト
MX4SIO以外には、以下2つのソフトが必要になる。
FreeMcBoot (FMCB)・・・メモリーカード経由で各種ソフトウェアを起動するソフト
Open PS2 Loader (OPL)・・・DVDドライブ以外からゲームを起動するソフト
FMCBが基本ソフトで、OPLがそのプラグインというイメージでOKだ。
ここで注意点を言っておくと、MX4SIOを動かすにはOPLの最新版(v1.1.0以降)が必要になる。海外通販サイトではよく「OPL入りのメモカ」が売っているが、OPLは別にMX4SIOだけのためのものではなく、古いバージョンのOPLの可能性もあるので、購入する際は要注意。
またさらに注意が必要なのが、MX4SIOはFMCBの入った純正メモリーカード経由でないと起動しないという点だ。こちらもまた海外通販サイトでは「FMCB入りのメモカ」が売っているが、それらは大体非純正メモカなので、そのままではMX4SIO経由の起動ができない可能性が高い。
じゃあどうやってMX4SIOを起動するのかというと、
1. 非純正メモカのFMCBを使って、純正メモカのFMCBを自作する
2. 純正メモカのFMCBに、OPL最新版を導入する
3. OPL最新版からMX4SIO経由でゲームを起動する
という流れになる。1~2は初回だけの作業になる。
必要なもの
さて、それでは上記注意点を踏まえて、物理的に準備が必要なものを紹介する。
PS2本体(型番SCPH-70000番台以前)・・・言わずもがな。薄型PS2の中でも後期に発売されたSCPH-90000番台は非対応なので注意
FMCBが入った非純正メモカ・・・Helder氏のサイトやAliExpressなどで購入可能
空の純正メモカ・・・FMCBを自分で入れるためのメモカ。純正で8MBの普通のPS2メモカを用意しよう。FMCBを入れた後はセーブデータなどの保存はできなくなるので注意
microSDカード・・・相性問題が結構あるようなので、複数種類あると安心。東芝製EXCERIAが相性良いという噂もあるが、日本国内ではもう正規品が売っていないため、キオクシアブランドのEXCERIAがおすすめ(キオクシアは以前の東芝)
ゲームソフト・・・こちらも言わずもがな。PS1のゲームは対応していないので、PS2のゲームをPCのDVDドライブで吸出しておく必要がある
導入手順
導入についてはレトロゲーマーさんの記事が非常に詳しいので、そちらを参考に。
ちなみに、AliExpressで買ったFMCB入り非純正メモカは、起動の方法が特殊なので一応残しておく。ただメモカを挿しておけば起動するわけじゃない。
なるほど。。。中華製MX4SIO、わかったぞ pic.twitter.com/y63O4Wmagq
— ポート0おじさん (@peca_port0) April 1, 2022
↑の動画のように、PS2が起動したら「ブラウザ」を開き、本体に接続されているディスクやメモカ一覧の画面を表示させる。(FMCBメモカ以外は繋がない方がよい)
次に、FMCBが入った非純正メモカを選択する。
非純正メモカの中のデータが表示されるが、×ボタンを2回押し、PS2トップ画面に戻るとFMCBが起動する。
実際のゲーム起動は?
ゲームソフトをISOファイルに吸い出すのが面倒なので、大してテストはしていないが、起動することはできた。
起動さえしてしまえばプレイは問題なさそう pic.twitter.com/hun7mYv522
— ポート0おじさん (@peca_port0) April 1, 2022
手持ちで試した感じだと、以下の状況。(最初の10分ほどのプレイで確認)
風のクロノア2・・・OK
ポップンミュージック12・・・NG
ドラゴンクエスト5・・・OK
ドラゴンクエスト8・・・OK
まぁ、当然、ゲーム途中で動作しなくなることもあるかもしれないので、あくまで自己責任で試してみてね。
終わりに
やはりメモリーカードからゲームを起動できるというのは楽ではある。が、全てのゲームが起動するわけではないし、ゲームの途中でいきなりフリーズとかしないか不安でもある。
今どきのグラフィックボードを積んだPCならPS2エミュレータも動かせると思うので、あえてPS2実機で動かす必要があるケースというのは限られてくると思う。
まぁでもMX4SIOの登場でまた色々な可能性が見えてきただろうし、今後の発展に期待するおじさんであった。