何度か吸ううちに、またもや胃がムカムカとしてきた。腹の底から何かが湧き上がり、それが苛立ちの元になっていた。内臓から落ち着かなくなってくると、狭い車の中も敵意に満ちた意識を向け、するとますます怒りが湧いてきて、外に出たくてたまらないような気分になった。
「おい、顔色悪いんじゃないのか? どうする、メイソン?」
バーナードが顔を覗き込んできたので、手で押しのけた。
「放っておいてくれ、外に出て空気を吸ってくるよ」
「汗びっしょりだぜ、大丈夫かアシェル」
ブライアントの声には答えず、僕は車の外に出た。
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