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水深800メートルのシューベルト|第460話

 彼女と何を話せばいいのだろう。そんなことを考えているうちに、バスはエメリービルで僕を降ろした。


 街は古臭いが、洗練されているように見えた。レトロなトロリーバスが僕の立っている場所の隣を走っていたが、古い窓やその周囲や鋲をうったような車体は、ピカピカに磨き上げられており、塗装の剥がれひとつなく、あくまでレトロ風なだけの新車のようだった。


 町全体が、古めかしいが、小綺麗で、看板も整然としており、空気はよどんでおらず、僕はキラキラした太陽の光を注がれた。


 澄んだ空気を吸っているうちに気分は良くなり、メリンダと話が弾みそうな気がしてきた。

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