水深800メートルのシューベルト|第742話
僕は、いたたまれなくなって言った。
「いいんだ、ギャングとしてあのチームに入ったことは本当だから。エウヘニオ、もう寝よう。見回りが来るかもしれないし」
二人はまだ何かを言いたそうな顔をしていたが、エウヘニオが黙って梯子に手をかけて登ると、ダカーリも何も言わなくなった。
疲れていた。腕は痛み、ふくらはぎも筋肉は重くてだるい。しかし、頭だけは暗闇を照らす光のようにくっきりとしていた。心を占めていたのは、ダカーリに突っかかられた苛立ちでも、昔ギャングに入っていたことへの後悔でもなく、黒い瞳の彼女と一緒に居残りをしたことだった。同じように大学を目指してここにいるのに、自分は幼稚でちっぽけな存在だ。黒い瞳はそう語っていた。あの子がそう思うはずもないのに、その想像がどうしても打ち消せなかった。