見出し画像

水深800メートルのシューベルト|第339話

「いや、ロープがなかったら溺れていたぞ。メイソン元帥と俺の手柄ですよね?」
 ブライアントがおもねるような色を浮かべて『元帥』の方を見た。


「ああ、実際アシェルは沈んでいたしな。ちょっと焦ったぜ。お前は賭けに負けたんだ」
あーあアラース、アシェルがもうちょっと浮かんで泳いでくれりゃあな」
 バーナードは恨めしそうに僕を見た。


「文句を言うな。それに7時を過ぎたら料金はたった4ドルだ。ケチケチすんな」
 メイソンはピシャリと言って、バーナードの手を掴んで立ち上がらせた。

     第338話へ戻る 第340話へつづく

いいなと思ったら応援しよう!