水深800メートルのシューベルト|第40話 2 吉村うにうに 2021年12月25日 23:09 「うん、外にいるのは僕のパパだよ。君はだれ?」 暗い所に目が慣れてくると、髪の毛は金色だとはっきりしてきた。指していた指で髪を掻き上げながら、「メリンダ」とかぼそい声で呟いた。 髪の中から顔が現われ白い肌とそばかすが見えた。変な顔だと思ったら左右の眼の大きさが違っていた。右眼は鈴のように大きく丸いが、左眼は腫れた皮膚の中に埋もれていた。周囲の皮膚は紫色に変色していた。僕はおそるおそる尋ねた。「パパに、叩かれたの?」 その問いに、彼女は首を横に振った。 第39話へ戻る 第41話へつづく ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #小説 #連載小説 2