「早く吸えよ」
メイソンに急かされて、バーナードはパイプに食いついた。大きく吸っては、鼻から白い煙をフンと噴き出していた。
何度もそれを繰り返していると、三角の青い目は幸福そうにトロンと丸みを帯びたものに変わってきた。その楽しげな顔を見つめていると、突如ブライアントが呆れて蔑むような調子で言ってきた。
「アシェル! なぜぼんやりシートに座っているんだ? こういう時、お前は見張りだろう? 本当に役立たずだな」
僕は、自分の役割を思い出し、相手の機嫌を損ねないように、笑顔で「ごめんよ」と言って、車のドアレバーに手をかけた。
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