轟音が消散した後にゆっくりと目を開けた。
想像とは違って、どこにも血は飛び散っておらず、銃の爆発音が嘘みたいだった。目の前には、先ほどと変わらず、恐怖に顔を引きつらせたメイソンと、顔を後ろに背けていたブライアントが立ち上がれずにそのままでいた。
周囲が騒然としてきた。人が集まってきて、僕らを遠巻きに見ていた。
「アシェル、落ち着けって。ほら、人が来るぞ。もうお前は俺たちの正式な仲間だ。な、その度胸は認めてやるから……。早く帰るぞ」
ブライアントが必死の形相で、諭すように言った。
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