水深800メートルのシューベルト|第677話
地獄の五十回が終わった。みんな、午前の時とは違って、終わってすぐに立ち上がる者は少数だった。多くは、その場でうつ伏せのまま崩れ落ちていた。やはり、午前も激しく運動し、さっき長距離のランニングをやったのだから当然かもしれないと、横目でみんなの様子を見ながら考えた。腕立て伏せは案外腹筋を使う。お腹がふくれてから走った僕は、ずっと胃の底から何かが逆流してしまいそうな気持ち悪さを感じていた。そこへ腕立て伏せの時に腹に力が入ったので、思わず戻してしまうそうだった。今動いたら駄目だ、そう思って倒れた場所から立ち上がる素振りだけを見せて、他のみんなが動き出してから立とうと思った。