(オリビアさんの質問に困った僕は)黙ったままにっこりとした顔を見せると、オリビアさんは慌てたように言った。
「そんなことないわよね。ごめんね。きっとパパは体の具合が悪くて怒りっぽくなっていただけよね」
笑顔でいると、右のまぶたがまたピクピクと勝手に動き、僕は自分の顔が変になっているかもと心配になった。
何も言わずギュッとお婆さんの皺だらけの手を握った。この手をママの手だったらと想像してみた。想像の中でのママは、僕を叱らず、いつも笑って、いらいらもしていなかった。
第123話へ戻る 第125話へつづく