「検査が一切できない状況では、私だって何も言えないんですよ。医者だって魔法使いじゃないんです!」
デューク先生もママの苛立ちが伝染したのか声を荒げたが、すぐにはっとした顔をして、声のトーンを抑えた。
「ですが、これまで患者さんを診てきた経験からですが……、彼の肝臓は、もう、ほぼ機能していない可能性が高いのでは……と思います。検査をしないとわかりませんが」
「ジョーンズには会えますか? 私が説得してみますわ」
「ええ、ご案内します」
先生は、安心したように息を吐いた。
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