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水深800メートルのシューベルト|第682話

彼女は教官にロープを結び終えたことを告げると、何事もなかったかのように列の先頭に戻った。教官は、女の子の勝手な行動に苦々しい顔を浮かべたが、近くにいる他の教官が何も言わないのを見て、それを責め立てるようなことはしなかった。
「アシェル・スコット、いつまでグズグズしている。早く隊列に戻れ!」


 僕は、助かったという思いを胸に、駆け足で列の最後尾に戻った。すると、前から順にオレンジ色のライフジャケットが回ってきた。
「次は、水泳訓練だ。これから一時間泳ぎ続けてもらう。沈まないからといって、手足を動かさないで浮いているだけの奴は兵士じゃない。俺が沈めてやるからな」
 その時、クスクスと笑い声が漏れていた。

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