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水深800メートルのシューベルト|第980話

それがバレないよう彼の目を見ずにその後方のハッチに目を向けたまま答えた。彼は、僕を押して自分の体制を立て直しながら言った。


「お前、どうせ暇だろう? みんな発令所に集まっているぞ。お前も来い」
 潜航時など何か艦に動きがある時は、面白がって関係ない人間が自然と集まる。しかし、僕には持ち場を離れることに抵抗があった。
「いえ、勤務がありますので」


 ドビーは口元を歪ませて笑った。
「クラムジーのお前に仕事なんてないよ。お前、潜水艦に興味がないのか? ミサイルをぶっ放す機会のない情勢の今じゃ、潜航や浮上が一番面白いのに。そもそも、アシェルはどうして海軍に来たんだ?」


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