水深800メートルのシューベルト|第375話
メイソンとブライアントが夜の街で、ミドルスクールやハイスクールの生徒を相手に金をせびっている話は聞いたことがあった。僕らの学校でそれをやっているのを目撃したことがないが、サンタローザに繋がる橋の近くにあるサンパブロや南のイーストモントまで彼らがドライブした後は、いつも意気揚々としていた。それらの街はお婆ちゃんから「絶対に行かないように」と言われた場所だ。そこへは僕やバーナードは連れて行かれず、代わりに戻って来た時にはウィードをたっぷりと振舞ってくる。きっと金が入るのだろう。
それにしてもカツアゲをするのになぜ拳銃が? それとも単に僕らを脅かしたかっただけなのか? 理由はわからなかったが、ブライアントの言葉が耳に引っかかった。
「おい、バーナード、準備しておけ」