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水深800メートルのシューベルト|第466話

 未来の超能力SF映画を観た後、僕らは下の店でピザを食べた。
「どこまでも伸びるよね、さっきのケージの舌みたいに、ほら」
 店からはみ出た丸いパラソルのテーブルで、彼女は手と口に銜えたピザを引き離して、チーズの長い橋を作ってみせた。


「アシェルはオリビア婆さんの養子になっても、ファミリーネーム変えなかったんだね」
 不意に、切れた長いチーズを口に頬張ったメリンダが、聞いてきた。


「うん、お婆ちゃんがそれでいいと言うし、それに、名前変えたら、メリンダに気づいてもらえなかったでしょ?」
 僕は、喜びでいっぱいになった彼女の顔を見て、調子に乗ってしまったと思った。

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