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水深800メートルのシューベルト|第284話

 あと一回曲が流れれば終わる。いや、もう一回かな。このように曲の繰り返す回数で時を計りながら、この恥ずかしい見世物から解放される瞬間を待っていた。


 曲と先生とみんなに翻弄される苦しみがようやく終わった。生徒が三々五々に散った後、腹を抱えて笑いながらメイソンがバーナードとブライアントを連れて傍にやって来た。


 ブライアントは端麗な顔をこっちへ向けて
「全然なってないじゃん。こんなドジな奴、役に立たないよ。俺らのチームじゃ」
 と笑った。しかし、メイソンは
「いや、こんな面白い奴いないから。今度海に連れて行ってやるよ。でも、見習いからスタートな、コードネーム『タコオクトパス』で決まりな」
 と告げた。
 その言葉に手下二人は大声で笑った。

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