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水深800メートルのシューベルト|第987話

「す、すみません大尉。今、持ち場に戻りますので」
「いいよ、いいよ」


 大尉は目の横の皺を深めてにっこりと微笑んだ。その皺と、ゆったりとした話し方のせいで、五十歳を超えた初老のように見える。噂と退役すべき年から推測するともっと若いはずだが……。
「私が彼を勉強させようと連れて来たんです、大尉」


 ドビーが、責任を負う男と言った雰囲気を醸し出しながら言った。しかし、その窪んだ眼窩からのぞく目は、大尉に対して自信を窺わせているようにも思えた。


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