水深800メートルのシューベルト|第987話 5 吉村うにうに 2024年7月29日 15:31 「す、すみません大尉。今、持ち場に戻りますので」「いいよ、いいよ」 大尉は目の横の皺を深めてにっこりと微笑んだ。その皺と、ゆったりとした話し方のせいで、五十歳を超えた初老のように見える。噂と退役すべき年から推測するともっと若いはずだが……。「私が彼を勉強させようと連れて来たんです、大尉」 ドビーが、責任を負う男と言った雰囲気を醸し出しながら言った。しかし、その窪んだ眼窩からのぞく目は、大尉に対して自信を窺わせているようにも思えた。 第986話へ戻る 第988話へつづく 第1話に戻る ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #小説 #連載小説 #長編小説 #連載長編小説 #潜水艦 #アメリカ海軍 5