見出し画像

水深800メートルのシューベルト|第277話

このままでは、メイソンが怒りだすと思ったのか、彼(バーナード)は話題を変えた。
「相談なんだけどさ。アシェルも俺たちのチームに入れてやるのはどうかな? こいつ、友だちいないんだよ」


 それを聞いてメイソンは垂れ下がった瞼の下から蔑むような目を向けてきた。僕は、彼が怖かったかが『有名人』と知り合いというのは悪くないように思えた。


「そいつはどうかなあ? 俺たちの足手まといにならないか? 虚弱体質っぽいし……」
 彼は、僕の顔から足先までじろじろと見ていた。

     第276話へ戻る 第278話へつづく

いいなと思ったら応援しよう!