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水深800メートルのシューベルト|第374話

 この日は、いつもの四人でチャイナタウンに行こうという話になった。日が暮れかけた頃に、僕とバーナードは車の後ろに座り、ブライアントは慣れた手つきで芋虫に葉っぱを詰めていた。道中、メイソンはダッシュボードのボックスを開けて、鈍色の拳銃をちらっと見せた。ルームミラー越しに彼は顔を紅潮させていた。


「こいつを家からこっそり持ってきたぜ」
「おい、今日やるのか?」
 助手席のブライアントの声は興奮でうわずっていた。


 きっと噂にきいた「カツアゲマグ」をするつもりなんだ。そう思うと背中から汗が滲み出てくるのを感じた。

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