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毎日ちょっとだけ連載小説|水深800メートルのシューベルト

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連載で小説を始めてみました。一話をかなり短く(200文字くらい)毎日ほんの少しずつ進める予定です。 読んで頂けると嬉しいです。
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#アメリカ海軍

水深800メートルのシューベルト|第1話

       第一部        (1)  ドンッ!   ロバートに胸ぐらを掴まれ、居住…

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水深800メートルのシューベルト|第1112話

 ピアノが存在するというだけで、心が和む。しかし、それは何かの象徴的な意味合いであって、…

吉村うにうに
1時間前

水深800メートルのシューベルト|第1111話

「本当は、懐中電灯用にとっておいた方が良いのですが、これくらいいいでしょう。会話は禁止さ…

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水深800メートルのシューベルト|第1110話

「しかし、芸術があるじゃないですか」  大尉の言葉が何を指すのか分からずにいると「ピアノ…

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水深800メートルのシューベルト|第1109話

「現実は極めて厳しい状況ですよ。今、幸福にはなれませんよ」  僕は反論した。 「そうかも…

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水深800メートルのシューベルト|第1108話

「待つことだけだよ、私達にできるのは」  僕は、セペタ達と議論した助かるかどうかの推測を…

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水深800メートルのシューベルト|第1107話

      (53)  行くように言われてもいないが、様子を見に行った倉庫からは仄暗い光が漏れていた。僕はハッチから顔を覗かせると、無言でテーブルに座っているハドソン大尉に敬礼をした。 「大きな声でなければ、会話を許可するよ」  彼は微笑んで、手で狭い房室に招き入れてくれた。すぐにポットからコーヒーを注ぎ、カップを渡してきた。 「温かいコーヒーが飲めるのも最後かもしれないからねえ。いや、原子炉が復旧するか救援が来るまでと言う意味で、ですよ」  彼は、目尻に皺を寄せて言った

水深800メートルのシューベルト|第1106話

 続いてロバートが立ち上がった。無言だったので、どうやら会話禁止の命令は渋々受け入れるつ…

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水深800メートルのシューベルト|第1105話

「俺は諦めないぜ。個人脱出でも何でもやってやるからな」  その声に誰も応えなかった。これ…

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水深800メートルのシューベルト|第1104話

「それだけ状況がまずいって事だよ。しばらく艦長の指示に従った方がいい。酸素発生装置はバッ…

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水深800メートルのシューベルト|第1103話

「アシェル、お前のお袋さんは?」 「湖に飛び込んだよ」  何も考えずに反射的に返答をした…

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水深800メートルのシューベルト|第1102話

それほど酸素残量に不安があるのだろうか? それとも騒ぎがあったというが、反乱に近いもので…

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水深800メートルのシューベルト|第1101話

これは命令だ。ノーマン中尉はただそれを伝えに来ただけだと。しかし、会話禁止と言うストレス…

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水深800メートルのシューベルト|第1100話

「い、いや喋るなって、無理ですよ。勤務にならない」 「勤務中は上官の許可があればよい」  セペタの反論に、技術中尉は苦しげに答えた。 「それじゃ、休憩中はずっと話ができないって言うんですか? ゲームしか、する事がありませんよ」 「その通りだ」  ボブの不満げな声にも、中尉は答えていた。 「馬鹿馬鹿しい。それで酸素がどれ位節約できるっていうんですか? 中尉殿はそんな滅入れに意見具申さえしなかったんですかい?」  ロバートは軽蔑したような目をしていたが、それ以上は言わなかった