水深800メートルのシューベルト|第367話
「本当に泳いだだけなのね。それにしても危ないわ。毎年多くの子どもが海で亡くなっているのよ。それに都会の海は汚れているわ」(とお婆ちゃんが言った。)
「それくらいわかっているよ! 僕を子ども扱いしないでよ、お婆ちゃん。海で泳ぐくらい、教わればできるって」
「それに大人がついていないのに、海へ行くなんて……」
お婆ちゃんは、まだ心配そうだった。
「平気だよ。僕は、小さい時からトレーラーハウスに一人で泊まったこともあるって知ってるだろ? ママもパパもいなくても過ごせたんだよ」