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私が感じたアトレとルミネ
3月に解禁された就職活動も終わりが近づき始めてきました。今回は私が就職活動、そして普段利用から感じた同じJRグループのアトレ、ルミネについて素人視点ながら比較・違いを明らかにしていきたいと思います。これらの違いを見るだけでも駅ビルショッピングが楽しくなると思うのでぜひ最後まで見ていってください。
atre'は「日常」、LUMINEは「非日常」を提供
この2社を比較する際にこの言葉が一番分かりやすい表現かと思います。まず初めは両者の企業理念に着目していきたいと思います。
アトレ:お客様と地域の皆様に新しい価値を…いつまでも、しなやかに
ルミネ:お客さま自身もまだ気づいていない「潜在的な欲求」。 それを見抜くチカラで、お客さまの予感や想像力、期待さえ超えて「感動」をカタチにしていく。
ここで着目して欲しいのが、アトレは「地域」という言葉が使われ、ルミネは「期待を超える」という言葉が使われてる点です。後述しますが、アトレはいわゆる地域密着型の店舗運営を行い、ルミネはファッションビルとして流行りのアイテムなどをそろえた店舗運営を行っているのです。
立地の違い
次にそれぞれの立地する駅を検討してみます。ルミネは新宿・横浜・立川・大宮と言ったいわゆる「ターミナル駅」に立地しています。
一方のアトレはと言うと恵比寿・上野・亀戸・田端などルミネと比較した際に規模の小さな駅に立地していることが分かります。
これから何が言いたいのかと言うと、ルミネは通勤・通学で多くの人が利用するターミナル駅に立地することで仕事終わりの会社員などがちょっとした買い物をする、アトレは地域密着として住むための街に立地し住民の日常を支えていることが分かります。
これらを言い換えると、ルミネは家が遠くてもショッピングをしに行くと思いますが、地域密着のアトレの場合は最寄り駅にない場合にわざわざ行こうと気にならないはずです。
テナントの違い
テナントを見てもコンセプトの違いを体感できます。簡単に言うとルミネはファッション、アトレは食に力を入れています。ファッションの面で言うと両者色々扱っていますが、ルミネは「URBAN RESEARCH」「United arrows」「BEAMS」「TOMMOROWLAND」と言ったちょっと高めのブランドが多い印象です。
一方のアトレはと言うとファッションにも力を入れていますがルミネと異なり「UNIQLO」、「無印良品」といった老若男女問わない万人受けするテナントが多いと感じます。ちなみにアトレは本屋がほとんどの館で入居していますが、ルミネは一部しか入居してないのも特徴的だと思います。
つまり、若い女性を中心に非日常を体験するルミネ。地域密着として多くの人に愛されるアトレという訳なのです。
私の母も「ルミネの商品は買わなくても生きていけるけど、アトレの商品は買わないと生きていけないものが多い」と言ってましたが、まさにその通りで日常か非日常かの違いなのです。
同じ駅ビルとしてのマーケティング
ここでは参照した本に記載されていた駅ビルのマーケティングについて簡単に両社の特徴を踏まえながら解説していきたいと思います。
駅ビルの特徴としてまず挙げられることは何といっても立地です。鉄道利用が多い東京では駅は多くの人が集まる街の中心地です。そんな両社の客はやはり「駅の利用客」なのです。駅を利用する人の目的は移動であり買い物ではありません。となると駅ビルはいかにこれらの客を引き寄せられるかにかかっています。
これらを踏まえ、アトレは改札階にいい匂いのするパン屋やスイーツなど食を通して通勤客を館内に引き付けていると感じます。ルミネも新宿のNEWoManが特にですが地上階に香水やキラキラしたテナントが多いです。これもアトレ同様に館にちょっとした寄り道の客を引き寄せるための秘策だと感じました。
アトレのルミネ化、ルミネのアトレ化
ここまでアトレ、ルミネについて違いを書いてきましたが結局のところこの2社は駅ビルとして同じような事をやっており見分けがつきづらいのも事実だと思います。立地は違えど、ルミネ藤沢はユニクロなどテナントとして入っており日常的な店舗ですし、アトレ恵比寿はファッションにも力を入れておりルミネに近いことをやっていると思います。更にはエキナカとしてのエキュートも改札外に進出してますし、大船のアトレでは駅ナカにありますし、そういった駅のSCは将来改札がなくなり駅ナカという概念が無くなるように駅ビルも概念がなくなりつつあるのかもしれません。
池澤威朗,駅・まち・マーケティング(2017),同友館