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女子バスケとオータムカップ(2021年)

2021年9月3日(金)~5日(土)、Wリーグ強化試合のオータムカップが行われました。いやー、各コートで熱い戦いが繰り広げられました。3日間、新幹線に乗って高崎へ。大宮から高崎までは新幹線で約30分。めちゃ近でした! ちなみに高崎はパスタが有名ということで、駅ビルで頂きました。今回の全ての試合は見られませんでしたが独断と偏見の感想を書いておこうと思います。

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【ディフェンス】:
各チーム、ディフェンスの強度を上げてきているのがよく分かりました。前からのオールコートのディフェンスをするチームも多く、今シーズンは、オールコートディフェンスをされた時にどうやって対処するかがポイントになるかもしれません。やはり事前に準備をしておかないと、いきなりオールコートディフェンスをされると慌ててしまう、チームも多いからです。5日に行われたトヨタ紡織と日立ハイテクの試合でトヨタ紡織がオールコートディフェンスを行い、日立ハイテクが慌ててしまい、失点する場面もありました。羽田対三菱でも羽田のオールコートディフェンスに三菱は四苦八苦。ただ最終的には攻略して勝ってしまう所が三菱の底力を感じました。

【移籍メンバー】:
今期は、多くの移籍がありました。一番、驚いたのはトヨタ自動車。三菱の柱、川井選手、アイシンの柱、宮下選手、梅木選手を獲得。そこにエブリン選手、ステファニー選手、長岡選手、山本選手、平下選手も健在。というかほぼ日本代表じゃん! 決勝戦で三菱と対戦し、圧勝するのかと思いきや、結構、接戦。個の力が強すぎて、チームバランスがまだ整っていない様子。開幕までにどこまで、チーム連携できるようになってくるのか今から楽しみだ。補足すると、新生日本代表もそんな感じ。タレント揃いではあるけど、まだチームとしては調整中という感じ。集められたばかりですしね。アジア大会までにどんなチームになるかこちらも楽しみ。そいうえば、トヨタ対三菱で、川井選手と渡辺選手のマッチアップ、面白かった。左サイドで渡邊選手のドリブルを足を使って、止めた川井選手に対して、「なんだよ!」という感じで川井選手を突き飛ばす場面も。熱すぎる2人の戦いは、リーグ戦でもみもの。
シャンソンに移籍した藤岡選手は驚きの活躍。なんで引退したの?っていうくらい身体がキレているし、ノールックパスも健在。日本代表に選ばれてもおかしくない。年齢も重ねて、人を生かすプレイにも磨きがかかって、最高にいい状態。今年のシャンソンは2段階くらいレベルアップした。
アイシンに移籍した元山梨クィーンビーズの内堀、いや荒木紫菜選手にも注目。得意の3ポイントも決め、チームに溶け込みつつある。まだまだどう動いていいか迷う場面もあったが時間の問題だろう。リバウンドの飛び込みが出てくれば、さらに活躍してくるだろう。

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【ヘッドコーチ】
アイシンといえば、トヨタ紡織を強くした実績のある中川文一HCがアイシンのHCに。基本に忠実なバスケでアイシンも強くなるはずだ。羽田にやってきたオリンピック解説でもお馴染みの萩原美樹子HCにも注目している。中川HCは、いわずもがなですが、萩原HCは、早稲田大学女子バスケットボール、日本代表アシスタントコーチ、アンダー世代の日本代表のコーチなどを経験しているため、女子バスケのコーチではある意味、ベテラン。今回のオータムカップでの羽田は見違えるほどによくなっていました。さすが萩原HC。なにがよくなったって、ディフェンスもオフェンスも決まり事がしっかりしたこと。だから選手達が練習で教え込まれた動きを徹底してやろうとしている様子が伺えます。我らが山梨クィーンビーズも3ポイントラッシュでやられてしまいました。インサイドに切り込み、アウトサイドで待つ、フリーのシューターにパスで3ポイント。何度もこのパターンでやられました。リーグ戦ではどういう戦い方をしてくるのか今から楽しみです。1つ気になったのは、ベンチでは萩原HCよりもアシスタントコーチ?の方が目立っていたこと(笑)。

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と、長い前振り?を書きましたが、我らが山梨クィーンビーズはというと、
羽田戦は残念ながら負けてしまいましたが、新生クィーンビーズという感じで、攻撃にバリエーションが生まれてきました。昨年の悩みであった攻撃力。昨年はなかなか点が取れず、やきもきする場面も多かった。点が取れる選手に頼って、その人がなんとか決めてくれる時はよかったのですが、徹底的にマークされると、点が止まってしまうの繰り返しでした。それがオータムカップでは、速攻やコンビネーションプレイ、ドライブなどあらゆるパターンで点が取れていました。しかも選手同士、試合中でもコミュニケーションを取り、お互いの動きの確認などをまめに行っていました。これは大きな成長!

 選手達も大きな成長を見せてくれました。昨年、あまり出場していなかったガードの土田 帆乃香選手。荒木紫菜選手が抜けた穴をしっかりと埋めるくらいの活躍で、ドリブルめっちゃキレキレでした。
なによりも成長したのが、 センターの富田 愛理選手。昨年はまだまだ身体のあたりで負ける場面もあり、点が決めきれなかったんですが、今年は自信をもった動きができ、得点をあげていました。伊與田HCがイチから教え、昨年もミスがあろうと結果がでなかろうとずっと使い続け、ようやく芽がでてきました。ディフェンスではまだまだ動きについていけなかったり、ボールウォッチャーになって、フリーな選手を作ってしまっているので、そこを改善できたらと思っています。

ルーキーの濱西 七海選手も球回しもでき、ドライブもでき、3ポイントも決められる。ポジションは違いますが、どこか入団当時の水野菜穂選手を彷彿させる存在感でした。池松 ほのか選手が登場した時、僕の席の後ろの人が「あれ、高校生じゃない」というほど童顔で、「大丈夫かなー」と思いきやいきなり3ポイントを決める豪快さもあります。

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渡邉 まりい選手と 山本 由真選手は、同世代でもあり、息の合ったコンビネーションをいくつかみせてくれました。 渡邉 まりい選手はこれまで先輩達の中でのプレイだったので、少し委縮している部分もありましたが、能力は高い選手なので、今期爆発するかもしれません。

水野 菜穂選手、若原 愛美選手、瀬山 楓、後藤 優、岡 萌乃選手、渡邊 愛加選手、近内 瞳選手は安定のプレイで今期も活躍が期待できます。それにしても若原愛美選手は、いつになく集中した顔付きで、今期にかける思いを感じました。まだまだ自分が描いている選手間の連携プレイができない場面があり、悔しさを滲ませていましたが、コミュニケーション能力も高い選手なので、そこはあと1ケ月で調整できるはず。水野菜穂選手は、なんであんなに体力あるの? というくらい動き回っていました。年齢も上がり体力的にもきつくなると思うのにまったく衰える様子がない。ドライブもキレキレで、相手が武器のドライブを警戒するあまり、待ちのディフェンスをすると、途端に3ポイントを打ち、得点。これは手がつけられません。あ、そういえば、渡邊 愛加選手が濱西 七海選手に身体の使い方を教える場面を見ることができ、若手と中堅の関係性の良さも感じました。

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最後に女子バスケ、いやスポーツ選手にとって「モチベーション」はとっても重要な要素だと思っています。「なんでアタシ、バスケやってんだろう?」なんて思ったらキツイ練習もキツイ毎日の日々を乗り越えることができません。だからプロ選手になって駄目になってしまう選手もいます。逆に大きく伸びる選手もいます。その違いはなんだろうって考えた時に、やはり学生時代までは100%ではないしにても「自分のためのバスケ」で、プロになったら「誰かのためのバスケ」に変えられるかどうかの違いかもしれません。
山梨クィーンビーズの水野選手は、もちろん名門校で活躍した選手ではありましたが、Wリーグにきて、大きく飛躍した選手だと思っています。家族や職場の同僚、町の人達、ファンの人達の応援を自分のモチベーションに変え、「この人達のために頑張らないと」と思い、苦しい練習や忙しい日々の乗り越えているんじゃないかと思います。恐らくこういう思いを持ったWリーグの選手達はたくさんいると思います。僕の応援なんて、選手達のモチベーションのワンピースに過ぎないかもしれないけど、そのワンピースになれたことが僕の人生のモチベーションになっています。


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