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女子バスケと山梨クィーンビーズ

いよいよ9月3日(金)から3日間、女子バスケのシーズン前の強化試合、オータムカップが行われます。昨年は残念ながら中止になってしまった大会だけに今から楽しみだ。

日本代表選抜チームがWリーグチームのシャンソンと対決したり、普段あまり闘うことのないWリーグチームと社会人チームの対決もあり見どころも十分。今回、日本代表で東京オリンピックで大活躍だった町田選手や高田選手は不参加のようだが、実はWリーグには応援したくなるチームがたくさんあります。中でも僕にとって一番の「応援したくなるチーム」が山梨県の甲府市に本拠地を置く山梨クィーンビーズだ。

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山梨クィーンビーズの選手は全員山梨の企業で働きながらバスケをやっています。昼間は仕事、夕方からはバスケ練習。シーズンが始まれば、週末は試合と、ほとんどプライベートがないくらい忙しい。大手業がバックについたENEOS、トヨタ、デンソー、富士通などとは違い、山梨の数々の企業や個人サポーターに支えられてクラブ運営をしているんです。

正直、資金も潤沢ではないので、日頃の練習体育館は、スポンサーの日本航空高等学校の体育館の一角を間借りして練習しています。冷暖房完備ではあるけど、練習中にこれらを使うのも気を使いながらの練習です。光熱費もばかにならないですからね。

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もちろんオリンピック選手クラスを獲得するのも中々、厳しい状況。身長が大きな選手も少なく、平均身長もWリーグの中では小さいほう。

2014年にはメインスポンサーの撤退の影響で、2014年-15年シーズン、2015年-16年はWリーグ参戦を見送った過去があります。約6年前の話です。この苦しい時代を知る近内瞳選手(21番)は、今も山梨の現役でプレイしています(今はWリーグを引退し、3x3で活躍)。なのでコートに登場すると、昔からのファンは感慨深いものがあります。

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2021年からアイスタントコーチ兼選手の岡萌乃選手(18番)は前キャプテンで、山梨QBが参戦した2016年シーズンに入団。この2016年シーズンは一勝もできず、悔しい想いを。岡選手は、点も取れるし、なによりディフェンスが強い。古い話だけど、高校総体2011 女子バスケ決勝 大阪薫英女 対 金沢総合戦。4th:5分25秒。岡選手がドリブルで相手フィールドに入ると、ドリブルをカットされ、相手選手がフリーでレイアップ状態になるが、取られた岡選手は、気持ちで後ろから追いかけて、シュートブロック。残念ながらフォロー選手に決められてしまいますが、残り46秒でタイムアウトを取った際、故・長渡俊一監督は、「岡は取られたけど、なんとか抵抗した」と言葉をかけていた。岡選手のディフェンスに注目してみてほしい。
試合の動画はこちら

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そして2017年-18年シーズンになると、水野菜穂選手(元山梨QBキャプテン)、内堀(現・荒木)紫菜選手(引退)、星田美歩(引退)の山梨QBを大きく躍進させた3名が入団した。内堀選手、星田選手は、2人ともガードということで、5分ずつタイムシェアをし、3ポイントを量産していました。今は2人の得点力がなくなったことが本当は痛い。またいつか山梨に戻ってきてほしいというのが正直な所。ただ他のチームに行っても、引き続き応援する気持ちは変わらない。とにかく結果を出してチームに貢献してほしい。

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水野選手(74番)(現・羽田)は、とにかくいつもニコニコしていて、ショートカットが鬼のように似合う気持ちのいい選手。僕は同じ埼玉出身で最寄り駅が隣だけに思い入れがあります。なんか姪っ子が頑張っている感じかな。だから2018-19 山梨QBvs新潟 - 2018年12月16日、山梨73対新潟75、2点差の所、ラスト数秒でゴール下、水野選手が打ったシュートが外れて敗戦。泣き崩れて立ち上がれなくなった水野選手の姿を見た時、バスケへ懸ける思いを強く感じ、「もっと応援して勝利の笑顔が見たい」と思いました。今ではこんな偉そうなことを言っているけど、この試合は悔し過ぎて動画も見るのが嫌だったほど。今、冷静に見ているとラストパスを送った横井美沙選手(現・signpost)がねぎらっている姿がまた泣けてくる。試合動画はこちら
それと水野選手は、とにかくどの選手よりも動き周るし、ゴールに向かっていく。だから気づくと相手チームのファンにも目が留まり「応援したくなる選手」になってしまう。あんなに運動量のあるバスケ女子が昼間は銀行勤務なんて信じられない。外回りやってもらったら融資いっぱいとってきそう(笑)。プレイ集はこちら

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2019年-20年シーズンに入団した若原愛美選手(13番)。名門・桜花学院出身で東京医療保健大学ではキャプテンを務めていたという有力選手。山梨クィーンビーズを選んでくれて本当に嬉しかった。普段はいつも笑顔で優しくて純粋な選手。昼間は若原選手も銀行で働いています。女性としてもとっても魅力的です。ただ、ただですよ、試合に入り、スイッチが入ると、目がビー玉に。「その瞬間、あ、目がビー玉になった!」と(笑)。試合に集中し始めると、誰よりも闘争心がメラメラと生まれ、アグレッシブなプレイを見せてくれます。「目がビー玉」現象を発見したのは、全日本大学バスケ2016女子決勝 東京医療保険大学 vs 白鴎大学の試合。この試合は水野選手が4年生で、若原選手が2年生。オリンピックで3ポイントで大活躍した林咲希選手がいる白鳳大学に終始リードされる試合展開。若原選手のなんとか4年生に優勝をプレゼントしたいという強い気持ちが表に出た瞬間、カメラに抜かれ、「うわー、闘争心むき出しで目がビー玉のように点になっているー」と。試合動画はこちら

昨年の最終戦トヨタ紡織との対戦では、ラスト15秒で3ポイントシュートをねじ込み、1点リード差に。残念ながら負けてしまいましたが、心に残るシーンでした。プレイ集はこちら

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昨年アーリーエントリーで加入した 石川 明日香選手(31番)は、山梨出身で子供の頃からクィーンビーズを見て育ったというバスケ女子。アメリカの大学を卒業し加入してくれた池松 ほのか選手(8番)はワンハンドで3ポイントを打つ選手。ベテラン、中堅、新人が切磋琢磨し、どのチームよりもボールを最後まで追いかけるチームを目指してほしいと思っています。
勝ち負けは相手のあることで、自分ではコントロールできないけど、「最後までボールを追いかけるチーム」は自分達でできること。

オータムカップ1試合目は、9月10日(金)午前13時~東京羽田。
ぜひ山梨クィーンビーズの試合を5分だけでも見てほしい。

「応援したくなるチーム」になるはずです。

LIVE配信もあります。

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