芸宿日記12/13 芸宿103「ざこね」展
「ざこね」という金沢美大の学部生の展覧会が先日までの期間で開催されていました。
本日の記事はそのまとめと言いますかレポートになります。
・展覧会概要
専攻の異なる6名の金沢美大の1年生たちによるグループ展となっております。
大学のゼミがキッカケて知り合った6人によって企画された本展覧会、
ステートメントには、ゼミの活動で共同生活を送った経験から、人と人とのかかわりの重要性を認識し、その生活の延長線で発生した作品を今回展示していると書かれている。
・展示内容
巨大なキャンパスにこれでもかと、デカデカとキャンパスいっぱいにゴキブリを描いた「ゴキブリ」は北海道出身で今年の夏に生まれて初めてゴキブリを見たショッキングな体験から生み出された作品だ。
サイズから構図まですべてストレートだ。
食べることとは命をいただくという事なんだなという作品でした。
どことなくグロテスクなビジュアルになっている。
柔らか毛糸のテクスチャーを持つ、オノマトペが壁に張り付いている。
状態のを形態を造形している。
傘に発泡スチロールのビーズがびっしりと張り付けられた作品。
太平洋側出身だと日本海側の雹が降り注ぐ独特の天気は、重いのだ。
工芸的とは何ぞやという疑問から制作された作品だ。
器の制空権を支配するモビールが、近くを通るときに緊張感を出していたぞ!
近所に流行りのウミネコパーラーというかき氷専門の店があり、そこの店で出されるかき氷を思わせるオブジェクトだ。
もう冬にもかかわらず、次郎系ラーメンのようなかき氷を求める客はい一向に減らない。
バックヤード側に隠されるようにして展示された作品。
有刺鉄線や麻布、そして床に散らばるセミの抜け殻などエキサイティングな作品だ。
そういえば、今年の夏はセミの抜け殻はあまり見かけなかった、この作品の制作のために取りつくされていたのだろう。
原稿用紙に綴られた日記をそのままコピーして一冊にまとめた、プリミティブな本だ、表紙のデザインや原稿用紙に書くというアナログな手法から明治時代の同人誌本みたいだ。
・まとめ
作品は、実験的なへんてこなものが多く、特徴がないようであるが。
学部一年生という故郷を離れて石川県の金沢に移り住み、一人で生活をするという経験の中で生み出された作品という事で。
素朴で素直な印象を持ったかなという感想です。
芸宿というのがそもそも実験的で試験的な展示を行える場として立ち上がったという経緯があり、それと同時にそこで人が暮らしている生活の場でもあります。
今回の展示のテーマ、そして象徴的に日本酒が使われているのは、図らずとも旧芸宿から続く芸宿の歴史を思い返すと、かなりコミットしているなと思いました。
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