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【開催レポ】三島由紀夫『金閣寺』読書会

『金閣寺』スクショ

「中二病小説」「童貞小説」「金閣との恋愛小説」「三島の自伝小説」
…そもそも何小説か?

2022年2月19日(土)17:30-19:00
三島由紀夫『金閣寺』を課題本にした読書会を開催しました。

ご参加の皆様は、
『金閣寺』を4回読まれた方、レビューを投稿されたことがある方、同じ事件を題材にした水上勉『金閣炎上』を読まれた方、初三島小説の方、なんと初めて読んだ小説が『金閣寺』の方まで様々。

質問:三島小説の対象年齢は?
回答:高校生くらいでしょうか。
“頭の中が恋愛でいっぱいの『潮騒』をまず薦め、三島の文体に慣らしたところを、『金閣寺』で深みに沈めるのが良い”との答えに大笑い。

主催者が特に印象に残ったご意見

です。
・「主人公が人の話を聞かない」だけでなく、「登場人物みんな人の話を聞かないし、意見の伝え方が直接的すぎる」。終戦直後でも大学へ通える本人たちの環境による慢心か?

・主人公は人をモノのように認識している。登場人物の名前が出てくるのは、2名の友人と肉欲の対象のみ。例:父、母、老師、女、私服(警官)

・傍から見ると美しいものでも、内部は腐敗していることは珍しくない。腐敗を暴力(放火)で変えたいとの行為は中二病的。

171頁『誰ともほとんど口をきかぬ生活は、私にとってもっとも努力の要らぬものだということが、改めてわかった』
つまり、『誰かと口をきく生活は、私にとって努力の要るものだ』となると考えます。努力してでも人と話したい、と思えるような友人鶴川が亡くなったのは主人公溝口にとって痛手です。

聞きそびれ&読書会後にいただいたご質問

がありました。
noteのコメント、@oitmizunoのタグ付けでツイート、もしくはツイッターのDMでご意見いただけますと幸いです。

①第十章で禅海和尚の言った『「見抜く必要はない。みんなお前の面上にあらわれておる」』311頁。
これを私は、「本心で何を考えているか関係なく、他人は勝手にお前の行いを見て判断する。」だと考えました。皆さんはいかがでしょうか?

②主人公はその先どうなったと思うか?
行き止まりで、どこにもつながらないように思えた。

③最後の場面で三島が主人公に「生きよう」とさせたところはどういう意図だったのか、(実際の事件で青年は自殺を図っている)
三島の美学なのか?


中村


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