あなたを想うだけで
5年前くらいだろうか。YouTubeをサーフィンしていた時にたまたま見つけたのがfishmansの「いかれたBaby」だ。
魂を音に込めて飛ばしているようなギターのサウンド。それに乗せて歌われる言葉たち。孤独を感じるのに何かに包まれているようで心の底から安心する不思議な感覚。まるで祈りの中にいるような。
冒頭部分を聴いただけで俺は簡単にファンになった。この曲の最初の歌詞に凄く共感したからというのが大きい。
悲しい時に浮かぶのは いつでも君の顔だったよ
悲しい時に笑うのは いつでも君のことだったよ
人はいつでも見えない力が必要だったりしてるから
悲しい夜を見かけたら 君のことを思い出すのさ
人って不思議なもので、大切な人が近くに居なかったとしても心に想うだけで元気が復活する。勇気も湧く。更には幸福感で包まれたりする。
これと似たニュアンスの名言が俺の好きな映画「INTO THE WILD」の中に出てくる。
幸福が現実となるのは、それを誰かと分かちあったときだ。
俺がシチューのCM(大切な人と一緒にシチュー食ってるシチュエーション)が好きな理由はきっとこれだ。人って誰かに生かされているし誰かを生かしているなぁとつくづく思う。
俺は大切だと思う人に限って「ありがとう」が言えない。その代わりに心を込めて料理を作って食べてもらう。言葉だと照れ臭くなってしまってダメなのだ。でも今年は。今年が終わるまでに「いつもありがとう」と言葉で伝えようと考えている。特に相方に。
この一年を振り返った時に一番心の支えになったのは紛れもなく彼女だ。自分が嫌になるくらい本当に格好悪いところもみせた。人が人ならそれでフラれるくらいの。それでも彼女は励ましてくれた。それが嬉しかった。
「あなたがいるから俺は幸せだ。いつもありがとう」
大切な人を想うだけで幸せになれる。けれど言葉で伝えた「感謝の気持ち」を分かち合った方がより幸福になる。
とはわかってはいるけれど、言ったそばから恥ずかしくなってすぐに目をそらす未来しかみえない。
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