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お米太郎
2024年11月17日 23:22
船の甲板に出ると、空が青かった。雲ひとつない。しかし、その船が接地しているのは赤い地面のようで、皺のあるそれが、蠢きながら波打っている。隣にいる人にこれは何かと聞くと、これは元々人間だったんだと明るく答える。私は甲板で人を抱き抱え、先生を呼んでいた。私の手の中にいる人は、私より体が大きく、私は彼の上半身を後ろから抱きとめる形で、地べたに座り込んでいた。彼はぐったりとしていて、足も地面に投げ出さ