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梅雨と楊梅

緊急事態宣言が解除されました。
でも、まだまだ世の中は、じめじめとした湿っぽい雰囲気のまま・・
で、程無くじわじわと梅雨が訪れるわけです。

あじさい1


どんよりとしがちな梅雨ですが、梅雨にも梅雨の良さがある。
ということで、今回は楊梅染めを紹介しようとおもいます。と、いうより染色のことはひとまず後に置いておきまして(楊梅は枝や樹皮や葉を使用するので、いつでも染めることができるのです)、果実に注目したいとおもいます。

まず、「楊梅」(山桃)はヤマモモ又はヨウバイはといいます。ヤマモモ科の常緑樹です。原産は中国、ヤンメイとも呼ばれています。わりと街路樹や庭木や公園で目にすることがある樹木です。
染色においては枝や樹皮や葉を用います。

そして、梅雨時になるとまんまるのプツプツで真っ赤になった可愛らしい果実を実らせます。そのまま食べると甘酸っぱい。(食べてみた感じですと酸味のほうが強い感じがしました。そして少し個性のある味です)
実はこのヤマモモの果実は日本ではほとんどお店に売っていません。なんでも傷みがはやく、鮮度が保てないというのが理由だそうです。それと雨が降っているときには収穫できない(水っぽくなる)気難しい果実のようです。果実の大きさは何種類かあります。

さて、この果実、生でも食べることができますが、ジャムやジュース、シロップ、果実酒などにも利用できるんです。ということで作ってみました(昨年作)。※地面に落ちている果実は虫食いの可能性が高いので食べないでくださいね

ヤマモモ実2

小さいものだと果肉がほとんどないので食用にむかないのですが、残念ながらとてもとても小さいものしか収穫できず・・・

めげずにジャムを作ってみました。

まずは、しっかりときれいに洗います。中には虫がいることもあるので念入りに。
● ステンレス製かホーロー鍋に水を入れ沸騰させる(果実が顔を出す程度、果実からも水分が出てくるので水はあまり入れすぎないようにします)
● 沸騰したお鍋に水をきった果実を入れて煮る。たまにかき混ぜる。
● 煮ている果実の果肉が柔らかくなったら、網又はざるに移して粗熱をとって木ベラなどを使い裏ごしをします。しっかり種子から果肉をとります。種子は捨てます。煮汁は捨てません。
● 果肉と煮た汁をお鍋に戻し加熱し煮ます。
● 沸騰したら砂糖を適宜加え、攪拌しながら煮詰めます。
● 良い感じに煮詰まったら(とろみが出てくる)完成。
● (殺菌(煮沸)処理した)ガラス瓶にジャムを入れる。
※長く保存(日持ちしない)が出来ないのでとにかく早めに食べきるのが得策です。見ての通りの少ない量なので3日程で消費しました。

ヤマモモ実4

と、いうような感じで梅雨の時期だけ楽しめる楊梅のジャムの作り方の紹介でした。
もし、楊梅の実をみつけ、試してみようとおもいましたら、正しく詳しく説明してくれているレシピや保存方法がネットにはたくさんありますのでそちらを参考にしてくださいね。

そして、お待たせしました。
楊梅の染色について紹介したいとおもいます。
上記でも書きましたように染色には枝や樹皮や葉で染めることができます。染料は渋木といわれ、古くから染色に利用されてきたそうです。実際、私も好んでとってもよく使う染料のひとつです。

ヤマモモ3

今回は枝を使って染めました。
浸染2回。
媒染は焼きミョウバンを使ったアルミ媒染と木酢酸鉄を使った鉄媒染の2通りです。
・染める生地は11号帆布15cm×38cm ×2
・楊梅の枝(多少葉っぱ有り):だいたい両手で2すくい程度。ある程度細かくしておきます。
・焼きミョウバン:小さじ1~2程度 ※濃さの調節は好みで
・木酢酸鉄:媒染剤の濃度にもよりますが、大さじでいうと、だいたい1程度 ※濃さの調節は好みで

焼きミョウバンも木酢酸鉄も媒染浴は染める布が隠れる程度の量で薄めて作ってください。

●染料液の作り方は「玉ねぎの皮で染料液をつくる」を参考にしてください。
●染色方法は「玉ねぎの皮で染める」を参考にしてください。
●アルミ媒染液の作り方は「焼きミョウバンでつくる媒染液」を参考にしてください。

いつも通りの11号帆布のティッシュケースを作ります。

ヤマモモ4

煮出して作った染料液です。

ヤマモモ1

アルミ媒染/焼きミョウバンで染めました。彩度高めの明るい黄系色です。

ヤマモモ2

鉄媒染/木酢酸鉄で染めました。回数を重ねればもう少し黒味が出ます。ちょっとだけ緑がかっています。

山桃t

鉄媒染のティッシュケースを作りました。日光の堅牢度は良好とはいえませんが、それほど悪くはありません。たくさん染め重ねれば簡単には褪せないとおもいます。(染料にもよりますが)下染め次第で良好になります。
焼きミョウバンによるアルミ媒染は堅牢度はよくありません、基本的に黄系色は彩度が高い分、色褪せが目立ってしまいます。

以上となります。
長々となってしまいましたが、最後までお付き合いくださりありがとうございました。


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