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渋谷でわらしべ長者やってみた

この度、東大だめライフ同好会の面々で
わらしべ長者をやることになった。

なんでこんなにモチベが高いの?


実践するにあたってまずぶつかる問題は、藁をどう調達するかということである。そもそも藁とは?

①稲・麦などの茎を乾かしたもの。俵たわら・蓆むしろなどにつくる。万葉集5「直土ひたつちに―解き敷きて」。「―で縄をなう」
②産褥さんじょくに敷くわら。転じて、産褥。赤ん坊。浄瑠璃、生玉心中「―の中から養ひ」

広辞苑

うーん、わかんない。

どうしても藁が単体で手に入らないので、藁納豆を買うことにした。
だが近所のスーパーには売っておらず、わざわざ新宿の京王デパートにまで出向かざるを得なくなった。

389円(税込み)。これがデパ地下プライスか。私の一食分じゃないか。
早速、洗いたてのズボンにこぼして鬱になった。


18:28

渋谷TSUTAYA前にて
わらしべ長者開始


18時集合であったはずなのだが、電車が遅れたり、到着してもお互いに判別できなかったりするなど非常に幸先の良いスタートとなった。 とりあえず2時間は粘ろうと決議。
私が用意してきた藁に対し、 これ藁束だからだめじゃん!と言いつつ1本抜きとってぶんぶん振り回し始めた先輩。
かなり様になっていた。


10分後。

なんとこの藁、オイルインシャンプーになった。


プレミアムヒマワリオイルEX配合。定価約500円。


最初に現れたのは、なんだかアホそうな男子2人組だった。藁1本と引き換えにこれをくれたのである。等価交換というものを知らないのだろうか。しかも去り際に「頑張ってー」と言ってくれるいいやつらだった。


それにしてもとんでもない錬金術である。実質0円が500円になったのだから、これはもはや無限倍に等しい。この調子でいけば最終的には不動産にでもなるのでは?

そしてこのシャンプーが、

IKEAのマットになり
ボディシートになり
ちいかわになり
百元になった。


百元!?お金じゃないか。資本主義に組み込まれてしまった。(は?)

この辺でちょっと疲れてきた。

なんとなく、最初よりは人が来てくれなくなったような気がする。

手にしたものの価値が上がるごとに
だんだん交換のハードルが上がっていく
という事実、我々はそれに直面していた。

これが俗に言う「わらしべ長者の罠」か。

しかし、不動産王になるまではやめるわけにはいかない。

百元はカラコン(度なし)になった。なんだこの買取システム。


この直後、我々は場所を変えることにした。このカラコンをくれた黒ギャルが、
「ハチ公前でやった方がいいよ!
アタシ前やったとき最終的にヴィトンになったよ!」と教えてくれたからだ。マジかよ。

免許があると楽しいネ!


だが場所を変えた途端、カラコンはよくわからんボールペンになってしまった…。これ、最小値では?しかしギャルの言うことに間違いなどあるはずはないのだから、めげずに頑張ってみよう。

ミンティアになり
バスで子どもが押したがるアレになり
カルディのエコバッグになり
日傘になった!


ちなみに、このあたりで和風なお兄さんが差し入れ(お茶とボディシート)を持ってきてくれた。

こんな不審な集団を応援してくれるあたりどこか頭のネジが外れていそうなものなのだが、なんとアニメ監督らしい。すげー。みんなチェックしよう!



気づけば、8時近くになっていた。誰が言うともなく、そろそろお開きにするかというムードになってきた。
2時間粘ると言っていたような気もするが、そもそも我々は時間などに囚われるべきではないのである。



とりあえずわらしべ長者は一時休止ということで、次回はこの日傘からスタートしようと思う。いろいろ場所を変えて試行錯誤しながら、銀座とかでブルジョワから株券でも下賜されたいところだ。もしくは歌舞伎町で泥酔してるキッズたちを狙ってブランドバッグとか獲得できたりしないかな。



全体の所感としては、無謀な試みではあったが非常に楽しかった。

わらしべ長者でもしなければ関わることもないような人たちと触れあう、というのはなんて素晴らしい体験なのだろう。

まあ反省はといえば、我々にも途中から欲が生まれてきたのか、価格の上下で一喜一憂するようになってしまったということくらいか。

ここまで読んでくれてありがとうございました。またどこかでお会いしましょう。

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