家族日記#7 | 退院
2024年4月2日。
待ちに待った退院の日。
糸が産まれた日とは真反対の快晴。京都市内の桜は、ようやく開き始めてきた。
病院につくと、糸を抱っこしたなるみがエレベーターに乗って降りてきた。いつも通りの元気そうななるみに抱かれた糸は想像以上に小さくてびっくり!テレビ電話で見ていたのとは全く違う。
病院ではじめて抱っこをした時には、その軽さにまた驚く。小さくてかわいい生き物。とても不思議な感覚だった。
家族、3人で過ごすはじめての夜は、半分現実、もう半分は夢のような心地だった。途中起きた時に、右側に寝ている糸がちゃんと息をしているかどうか不安ですぐ目が覚める。
2〜3時間おきに、オムツを変えて授乳。ぼーっとした自分とは違って、しゃきっと目を覚ますなるみ。すごすぎて信じられない。
おむつを変えるたびに、どんどん愛しさが増していくのが不思議だった。夜に起きる大変さもなくは無いけど、「今朝も生きてる、すごい!すごすぎるよ、糸!」と本気で思う。この間まで、空気さえ吸い込んだことが無かったのに。
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ここからあと一ヶ月とちょっとは、京丹後と京都市を行ったり来たりする生活が続く。よし、リビングの本棚を片付けるぞ。