【京都合宿】 鴨川を眺めながら話したこと 〜京都おいしいもの記録を添えて〜
大学の同級生三人で、岡山にデイサービスを立ち上げる過程で考えたことの記録として始めたこのマガジン。はやくも9回目になりました。
そういえば最近、すこしずつ「note読んでるよ!」と言ってもらえる機会が増えてきてとっても嬉しいです。noteを定期的に更新するなんて、ぜったいに一人じゃできないタイプなので、誰かとこうやって考えをまとめていけるのはありがたいなあ…。
いまさらなんですがメンバー紹介を簡単に。詳しくは、マガジンの最初の3記事が自己紹介になっているので、そちらも見ていただけると嬉しいです。
鴨川を眺めながら、三人で話したこと
今回のnoteでは、先日3人が京都に集まったときの話を書いていこうと思います。
実は「一緒にデイサービスを立ち上げよう」となってから、三人が直接会って話すのは初。二人はぼくが働いているNINIROOMに泊まり、鴨川沿いを歩いたり京都の北に位置する丹波町まで足を伸ばしたりと一泊二日のプチ合宿のような集まりでした。
普段のオンラインミーティングではできないような、アツい話をしたような気がするので、覚えている範囲で書いていこうと思います(ただ食べていただけのような気もします。)
【1食目】 キッチンくじらのお弁当を鴨川沿いで食べたときにした話 with NINI姉妹
今回の京都合宿の目的のひとつは、ぼくが働いている (株) NINIの代表であるあいのさん&もねさん(以下、NINI姉妹)との壁打ちでした。
誰が相手でもバンバンと、ロジカルかついろんな角度から意見を伝えるあいのさんともねさん。頼りになる、おもしろい姉のような存在です。
しゅうへいとちかは、NINI姉妹と会うのは初めて。
鴨川沿いにレジャーシートを広げて自己紹介を済ませた後、くじらさんのお弁当をもぐもぐしながら、自分たちがつくろうと思っているデイサービスのことを話していきました。
「自分自身がいきたいと思ったり、親に行ってほしいと思えるデイサービスってなんだろう?」といったテーマから始まり、お弁当のおかずがなくなる頃には、「介護が必要になる前からデイサービスのことを知ってもらうにはどうしたらいいか?」といった内容の話をしました。
そこで出てきたアイデアのひとつが、デイサービスが介護が必要となる以前の人も対象とした「趣味や知的好奇心をベースにしたコミュニティの拠点」となること。
参考事例としては、大阪府高齢者大学校で行われている高齢者の方の学びを起点としたコミュニティづくりや、ライフの学校で行われている地域住民と、高齢者の方との接点をつくる取り組みなどがあります。
介護が必要になる前からデイサービスのことを知ってもらうこと。地域の方にも場づくりに参加してもらうこと。
すごく面白いなと思うと同時に、いかにしてデイサービスを利用されている方の心理的安全性を守るかが鍵になりそう。利用日や時間を変えながら、同じデイサービスの場をさまざまな用途で活用していくのも面白いなと思います。
たとえば、広島県三原市のデイサービス (1階) とデザインオフィス (2階) を併設したふくし拠点「暮らり」さんの取り組みがとても参考になります。
暮らりでは、普段デイサービスとして使っている空間をデイサービスの営業時間外に地域に開けた食堂(こみきち食堂)として開放したり、ゲストを招いたトークイベント(くるまざ暮らり)などを開催しています。
ぼく自身はまだイベントに参加したことはないのですが、どうやって運営しているのか、どんな方が集まるのかとても気になる…。行ってみたい!
そんな話で盛り上がってきたところで蚊が増えてきたので、いったんNINI姉妹との鴨ピクミーティングは終了。くじらさん、ごちそうさまでした。
【2食目】出町ふたばの豆大福を食べながら、鴨川を散歩していたときにした話
NINI姉妹との鴨ピクミーティングを終え、三人で鴨川をプラプラと北の方へ。余談ですが、ぼくは鴨川にいる人たちの雰囲気が大好きなので仕事でNINIROOMにいるとき以外は、だいたい鴨川にいます。
その日も、昼過ぎからたくさんの人が思い思いに過ごしている鴨川。短パンダメージジーンズ姿でヨーヨーをする麦わら帽子のおじさん、謎の楽器の演奏に合わせてアクロバットを披露する謎の少女、麦茶をタッパーで飲みながらトランペットを演奏する青年。
鴨川を北上しながら、目指していたのは「出町ふたば」です。詳しいことは後述しますが、とても人気のある和菓子屋さん。
行列に並んで大福をゲットした後、近くのスーパーでスミノフを購入し、鴨川デルタに移動。橋の下に座って、このときに話していたのは「自分たちの強み」について。
もともと、ぼくたち三人は大学の理学療法学科で知り合いました。わたし自身は理学療法士の仕事はアルバイトで2年弱ほどしか経験していないのですが、二人はキャリア6年目。
ですが、これまでの話し合いでは「何でも屋」という言葉をキーワードに、できるだけ専門性の枠組みに縛られず、多面的にその人と向き合いたいと考えていました。(詳しくはしゅうへいの記事を参照)
自分たちがつくりたいサービスのアウトラインが見えてきた今、普段のオンラインミーティングで三人で話し合っているのは「いかにして、思いを形に落とし込むか」という内容です。そこで考えなければいけないのが、他の事業者との違う自分たちの強みはなんなのか、ということ。
なかなか深い問いなのですぐには答えが見つからず、しばらくは三人でぼーっと鴨川を眺めて、おのおのの思いに耽っていました(が、上述のタッパー麦茶トランペッターのひと吹きで現実に引き戻されました)。
きっと「専門性を活かしてサービスを差別化すること」と「なんでも屋的に利用者さんと向き合うこと」は相反することではないんだろうな、という予感がしています。
いまは、参考になる他の事業者のサービスがどのようにして強みや専門性を活かしているのかを分解しながら、自分たちの強みについて考えている最中です。
【3食目】ぼたんの猪肉料理を食べた話
出町デルタでアツい話をしてすっかり日も傾いた頃、いったんNINIROOMに戻り、夕食のためにご近所にある居酒屋「ぼたん」に向かいました。
ここでは大学の別の同期も合流して、ただただ楽しい話をしていました。
そのためこの段落は、ただのぼたんさんの紹介になります。この日食べたのは、ぼたん肉を使った肉豆腐やパスタ。調理方法がよいのかわかりませんが、ぼたんの猪肉料理はくさみや野生っぽい感じがまったくなく、ほんとうに美味しいです。ぜひ食べてほしい。
ぼたんのあとは鴨川に場所を変えて、しっぽりと飲み直し。久々に大学生に戻ったような夜だったな〜。
【4食目】おピザはんの京丹波きまぐれ白みそピザを食べながらした話
京都合宿の大きな目的の二つ目は、京都府と兵庫県の境にある京丹波町のピザ屋さん「おピザはん」に向かうことでした。
ここは、ただのピザ屋さんではなく京丹波町にある通所介護施設「くろまめさん」が営なむお店です。
厨房の窯でピザを焼くのは、平日はとなりの施設で介護スタッフとして勤務している方。ピザの材料に使うのは、敷地内にある畑で採れた色とりどりの野菜。この野菜は、施設を利用されている高齢者の方と一緒に育てているそうです。
テーブルに並ぶピザは鮮やかで美しく、白みそを使ったものや京丹波の名産である大黒しめじを使ったオリジナリティあふれるものも。本当に美味しいので、近くに行った際にはぜひ足を運んでほしい。
印象的だったのが、おピザはんに到着したときに駐車場でたまたま出会って、明るく挨拶をしてくださった方がいたこと。あとあとわかったのですが、その方が「くろまめさん」の代表である稲葉さんでした。
「おピザはん」の建物は、納屋をリノベーションしたつくり。くろまめさんの利用者さん経由で知り合った、設計士の方と一緒に話しながら改装を進めていったそう。窓が広くとってあり、曇りの日でもとても明るく居心地のよい店内でした。
ピザを食べ終わったころ、代表の稲葉さんが声をかけてくださり改めて自己紹介。普段は介護施設の見学はされていないそうなのですが、特別にご案内していただきました。
7年前に新築したというくろまめさんの建物は、桜の床材をはじめ、自然素材を使った温かみのある空間でした。
施設を案内してくださった稲葉さんの「介護は医療の延長線ではなく、暮らしの延長にある」という言葉が印象的でした。できるだけこれまで暮らしてきた環境を再現しながらも、随所に快適に過ごせるための工夫が凝らされていました。
施設の外のテラススペースにはBBQ台があり、天気が良い日にはここでご飯を食べることもあるそう。
くろまめさんでは、様々な方が思い思いに過ごされていました。「自分のばあちゃんも元気がなくなったらこういうところに来て欲しいなあ」と思ったり。あらためて、稲葉さん、おピザはん・くろまめのみなさん、ほんとうにありがとうございました!
京都合宿を終えて
アツく、おいしい二日間。
このnoteの記事も今までで一番ボリュームのある内容になりました。
普段はオンラインで話しているからこそ、おいしいものを一緒に食べたり、同じ風景を見ながらする話は大事だなあと思います(言葉だけじゃ共有できないものってあるよね)。
次に三人で直接集まるのは、夏の終わりに岡山で。立ち上げを予定している町へ足を運び、町の様子や物件などを見てまわる予定です。
まだまだこれからだけど、少しずつ形になってくると同時にいろんな方に出会ってアドバイスや温かい言葉をもらってほんとうにうれしい。いつか、なにかの形で恩返しできたらいいな〜。
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