君たちはどう賭けるか (水原さんの件と破産確率)

こんにちは、オオイシマーフィーです。

大谷翔平選手の通訳・水原一平さんがギャンブルで多額の借金をしていたことが発覚してから数日経過しました。

今日はギャンブルでの「破産確率」についてお話しようと思います。

件のニュースについてはまだ明らかになっていないことが多いため憶測で話すことは避けたいと思いますが、大谷翔平選手の記者会見を経た今、水原さんがギャンブルで借金を作っていたことは事実のようです。
大まかな話としては「水原さんは元々ギャンブルに興味があり、ここ2~3年の間で一気に大きな借金になってしまった」とのこと。

私は意外と、水原さんの件を他人事と思えなかった人は多かったのではないかと思っています。実際に私の周りでもそういう主旨の発言を耳にしました。

日本円にして6億とも7億とも言われる借金の大きさからまず事実として浮かび上がってくることは、「大金を賭けていた」ということです。

私たち庶民にしてみれば10万円でも大金ですが、10万円を無限に負け続けて6億負けたというのは誰が考えてもあり得ないことで、やはり相当に大きい金額を賭けていたことが推察できます。


破産確率

ギャンブルには「破産確率」というものがあります。
正確に計算しようとすると損失許容額などが出てくるのでここでは説明しませんが、超大まかに言うと「一般的に行われているギャンブルではたくさん賭けているほど破産確率は上がる」と考えられます。
ここで言う「たくさん」というのはもちろん主に金額のことであり、副次的に頻度のことも含みます。

そして、「1回の的中でどれくらいのリターンが見込めるのか」という問題もあります。
100回に1回は必ず当たり、その1回で200倍のリターンが得られるのなら100回チャレンジする価値があります。
しかし、10回に1回当たるかどうかわからないような程度で、当たった時のリターンが13倍くらいだとしたら、ギャンブルとしては相当厳しいです。

今回のギャンブルはこの2つで言えば後者だったはずです。

自分の持ち金で勝負してない

ギャンブルで6億の借金になったということは、自分の持ち金で勝負していなかったということになります。自分の持ち金で勝負していれば一文無しになったとしても借金にはなりません。

報道では胴元への借金となっていたということなので、胴元にお金を借りて賭けていて、それがハズレた(もしくはハズレ続けた)。
いわゆる「レバレッジがかかった状態」だったと考えられます。

このような、自分の資産を超えた金額でギャンブルをすれば、破産確率は飛躍的に上がってしまいます。一発で「退場」(お金が無くなって次の勝負ができなくなること)も有り得ます。

先ほどの破産確率のように、この「退場」も「破産」に含めるなら、すでに破産した経験がある人は一定数いるはずです。
「金が無くなったので競馬ができなくなった」「パチンコができなくなった」というのは、ギャンブルに触れたことがある人なら一度は経験していると言っても過言ではないと思います。

おそらくこのあたりのことを肌感覚で理解していて、先のように「他人事とは思えない」と口にする人が多いのだと個人的には解釈しています。

いずれにしても、身の丈を超えたギャンブルによってすべてを失うことになってしまったことには間違いなさそうです。

命取りになった賭け方

では、今回のような多額の借金に至った経緯を一般論で推察すると、

①負けが重なる

②マイナス額が膨らむ

③より高いレートで勝負するようになる

④借金しながら勝負する

の流れです。

私はこのnoteで再三述べてきていますが、③の「高いレートで勝負する」が一番やってはいけないことです。
高いレートで勝負することにより、先ほどから説明している「たくさん賭けている」状態になり、破産確率が高まります。

ギャンブルは、いつでも資金に余裕のある状態で賭けなければいけません。
理由は過去の記事にも詳しく書いているので読んでほしいですが、
「賭け続けることができなくなると勝てる確率が下がるから」であり、「資金に余裕のある状態で大きなリターンを狙うことによってクールな精神状態で勝負し続けることができるから」です。

「1回のレースに10円しか賭けられないけど1,000分の1の確率で当たると1万円もらえるレース」では楽しむことはできても熱くなりようがないのと同じで、投資金額とリターンの金額の差は大きければ大きいほどいいです。
かつ、投資金額が自分にとってほとんど痛みの無い金額であれば、破産(退場)の確率はグッと下がっていきます。

みなさんは、ギャンブルだけで生計を立てているわけではないはずです。
あくまでも趣味で、ゲームとしてギャンブルに参加しているはずです。
であれば、投資金額を抑えている限り「お金が無くなる」ところまでは追い込まれないはずです。もし追い込まれたことがあるなら「たくさん賭けすぎていた」というだけの話です。

ギャンブル依存症

水原さんは、「自分はギャンブル依存症だ」と話していたと報道されています。
本人に自覚がある以上、治療が必要です。
過去の記事にも書いたようにギャンブルは脳内の報酬系ホルモンを分泌させるため、本人の意思だけで辞めることは無理だと断言すべきです。
依存症だと思ったら治療が必要なのは私たちも同じです。
専門家の話では、特にスポーツが絡むギャンブルは興奮作用が強く、依存形成しやすいのだそうです。

医学的にはギャンブル依存症ではなかったとしても、熱くなってお金をかけるのをやめられなくなったことは大げさに言えば誰にでもあるはずです。(ゲームセンターのUFOキャッチャーやメダルゲーム、夜のお店の人たちとの関係なども含めれば)
お金を「賭ける」だけでなく「かける」も含めれば、人間にはサンクコストという心理もあるためより複雑になります。
ギャンブルを辞める方法は過去にも記事を書きましたので困っている方はそちらも読んでください。


そして、今回の件で私たちに影響が出たことと言えば、
「気軽に趣味がギャンブルだと発言しづらくなった」ことが挙げられます。

すでに公言済みで、お金に関するトラブルが無いことが周囲の人たちから確認されている場合は問題ありませんが、これから新たなコミュニティや人とのつながりの中で「趣味のひとつにギャンブルがある」とは発言しづらくなりました。個人的にはしばらく公言を控えるべきだとまで考えています。

やはり今回のような大きなニュースになり、大きな金額でひとりの人間がすべてを失おうとしている様子が報道され、その情報の中で彼からは多くの嘘があり、裏切りがあり、周囲からの失望があったことが伝えられています。

元々自身ではギャンブルをやらず、他人がギャンブルをすることに対して嫌悪感や不安感を持っていた人たちは、今回その気持ちを改めて強めたはずです。
パーソナルな距離感にいなくても、ギャンブルをしていることを知られただけで敬遠されることも可能性としては考えられます。

「いかに隠すか」という話をしたいわけではなく、「今まで以上に慎重になる必要が出てきた」という話だととらえてもらえればと思います。


それでも、私たちの趣味はギャンブルです。(私の場合は競馬)
私たちは水原さんの件から、また改めて自分のギャンブルに対する姿勢や投資金額を見直す必要があることを学ぶべきです。

あなたのギャンブルの破産確率はどれくらいですか?
レートは適切ですか?
無謀な挑戦はありませんか?
無駄な投資はありませんか?

もし彼の姿を見て背筋が寒くなる思いをしたのなら、一度私のコラムを読んでみてほしいです。
安全な場所から適切な距離感でギャンブルを楽しめるようになると思います。

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