自然災害が起きたら、要介護の方はどうする?そして外出のこと。
●自然災害時・・・Sさん(仮名)の場合
5月5日に、石川能登地震がありました。
被災された方々の生活が一日も早く戻ることを祈ります。
自然災害は、いつ誰が遭遇してもおかしくありません。
終日ベッド上で過ごすSさんは、「避難行動要支援者」ですが、地震などで「避難指示」が出た場合も、自宅で待機することを想定されています。
理由は、住所地が海抜約10メートル超にあり河川の増水を受ける地区ではないことと、家具の配置などから部屋の安全が確認できること、そして、移動に複数の人の介助が必要なので、非常時に介護タクシーとヘルパーが即訪問して対応する、という予定が立てられないことにあります。
通常は、通院リハビリへ介護タクシーさんに送迎をお願いしていますが、5年程前から、夜間と土日の対応が難しくなり、緊急時の送迎を依頼することも難しいことが考えられます。
さらに、自宅ではベッド上の圧が分散されるマットレスで過ごし、水分にもトロミが必要で、紙オムツの使用も多いことから、避難所で過ごすことが身体に負担がかかることが予想されるからです。
今日は、Sさんの外出について、ご紹介します。
●介護タクシーで高校同窓会へ 車いすも歓迎
リハビリが進み、車いすに2時間程度座って過ごせるようになったころ、Sさんは、お友達のお誘いと協力があり、高校の同窓会へ出かけました。
段差や階段がある会場でしたが、夕方から複数の皆さんで車いすを軽々と持ち上げてくださったり、文字盤(※本日添付の写真)を使って会話もできたり、良い時間を過ごせたと懐かしい同級生の皆さんとの再会を喜ばれました。この嬉しい時間も、私はヘルパーとして「たすけあい」で同行しました。
●お父さんの福祉車両
初めての同窓会に参加した翌年から、Sさんは毎秋に行われる同窓会を楽しみにされていました。毎年私もお供してきました。
その後、Sさんのお父さんが自家用車を福祉車両に買い換えられ、介護タクシーの利用が時間外になり利用が難しくなったので、同窓会へは、お父さんに送迎してもらうことになりました。
お父さんに毎年乗せていただくのに、車椅子用のシートベルトが上手くできず、毎回お父さんと一緒に「あれ?どこ?こっち?」と焦りながら、Sさんには笑顔で見守られながら、ベルトを固定します。
その間も、お友達の皆さんに優しく見守れていて、汗をかきつつ、あたたかい会場を後にします。笑
新型コロナ感染症の影響もあり、この楽しい同窓会は残念ですが、3年間中止です。お父さんも年齢を重ねていらっしゃるので、同窓会への送迎が、今後は難しくなっていくことも考えられます。
同窓会は、Sさんとの楽しい時間ですが、安全な送迎については、課題がみえてきます。(続く)
2023年5月7日
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