《キンカノート》 美味しい‘さし餌’を食べさせたい。
卵から孵化して約1ヶ月になろうとしているおチビさん1号・2号・3号。
食欲もどんどん増している様子。
「ヒナの餌と言えばあわ玉」。
というのが定番らしいので、お母さんのぽんずとお父さんのゴマだれが吐き戻してたっぷりあげられるように専用の容器をケージ内に用意しておいたのだが、ヒナ時代のご飯があわ玉だけだと実は栄養不足で、後々成長とともに脚が弱く立てなくなる子もいたりするらしいという話も目にした。
げげげっ、ではどうすれば?!
一瞬焦ったが答えはシンプルで
あわ玉にプラスして他にも十分な栄養を与えれば良いらしい。
そこで、あわよくばおチビさん達を手乗りにしたいと考えていた私は、堂々とさし餌が出来る事に嬉々としながら色々と調べ、その結果選んだこのパウダーフードを、少し前からさし餌として与え始めていた。
まず結果として、
このフードで良かったと思っている。
おチビさんたちの食いつきはすこぶる良かったし、成鳥になった今もみんな健康体だからだ。
ただ・・・。
これは私の料理下手が問題だったのか、数時間おきにフードを準備するたびキッチンの作業台は大変な状態になった。
フードの与え方だけを言うと、
”とても細かいパウダーになっていて簡単に溶けるので、お湯を加えてしっかり混ぜてシリンジ(言ってみれば針の無い注射器みたいなもの)で直接口に持っていってあげる。”
というシンプルさ。
ただそれをちょうど良い感じの温度に保つのがなかなか難しかった。
冷たすぎても熱すぎてもよろしくない、というのだ。
自分の手の甲にでもちょこっと出してみてすこ〜し温かいかな?ぐらいが良いらしい。まぁ確かにおチビさんたちが喉やお腹を壊したりヤケドでもしたら大変だしね。
私は小さなエスプレッソ用のカップでパウダーを溶かし、ひとまわり大きい容器にお湯を張り湯煎で温度を保ちながらシリンジに詰めていたのだが、このシリンジに詰める作業が意外に難しく毎回もたついた・・・。
時間が経つとこの泥みたいなフードの温度がすぐ下がってしまうので焦る。小さい声で「待って待って待って待ってぇ〜・・」とぶつぶつ言いながらシリンジに詰めていく。温度を保つために湯煎のお湯を足したり空気を抜く為にシリンジをトントンとしながら詰めている間に今度は混ぜるのに使ったお箸やシリンジが転がって”泥フード”が周りに飛び散る・・・。
結果、キッチンは溶かす前の飛び散ったパウダーと乾いてカリカリになった泥フードでえらいことになっていく。
でもそんなことは気にしていられない。
すぐにフードをあげに行かなければ!!
3羽いると、思っているより交代でガブガブ食べるのであっという間にシリンジが空になる。
「わわわわわわ」
再びシリンジに詰めようと戻ってくると、容器の中の湯煎用のお湯が冷め、カップの中のフードはすでにカピカピに固まり始めている。
「こ、これはもうあげれない・・・」
また作り直しだ。シリンジに残っている分も硬くなっていては危ないんじゃないかと一旦きれいに洗う。背中越しに「まだかまだか」というおチビさんたちの視線を感じながら・・・。
でも、
毎回わちゃわちゃして疲れようが、キッチンが汚れようが、おチビちゃんにさし餌をすると全部一気に吹っ飛ぶ。
なんせ可愛い。
これこれ、この声と食べっぷり!
だからさし餌タイムはたまらない。
食べたあとにお腹やくちばしがカピカピしてたりすぐ寝ちゃう姿も可愛いのだ。
だけど短いさし餌期間もそろそろ終わりに近づいている。もうすぐ一人で餌が食べられる時期がやってくるのだ。
成長していく姿を見るのは嬉しいし感動する。
でもやっぱり少し寂しい・・・。
もうちょっと長くても良いのに。短すぎるぞ、さし餌期間よ。
video : 2021.02.16•17