阪大ロー入試 傾向と対策

下書きがあったので供養します。阪大ロー入試の個人的な分析です。私が受験したのはR6入学年度なので最新年度の情報は全く持っていません。まずはR7の過去問をご自身でご確認いただくことをおすすめします。

○総論
全体を通して基礎的な問題が多く論証暗記でだいたい乗り切れるというのが個人的な感想です。(三段論法を守る、条文に沿って検討する、問題文の事実を使う、は前提)予備校でいいので論証をしっかり覚えるのが重要だと思います。
もっとも、R5憲法で統治、R6行政法・民訴では典型とは言い難い問題が出題されたりしたので注意は必要ですが、どの科目も例年は基本的な問題が出題されているので、自分がわからない問題はみんなわからないと割り切りましょう。保険としてBランクの論証まで覚えておく、Cランク論証や出題頻度の低い分野(憲法の統治、民法の家族法など)もある程度目を通しておいて規範だけでも書ける状態にしておく、程度ができる範囲での保険だと思います。

○民事系1(民法)
【傾向】
基本的な問題の出題が多く配点が100点と他の科目の倍あるので重要です。(阪大ローの合格点は大体5割強)詳しくは後述しますが家族法が出題範囲に含まれているのが特徴的だと思います。なぜか頑なに債権者代位権を出さない。

【実際に行った対策】
・判例百選がそのまま出るので百選に目を通すべきとおっしゃっている方をX旧Twitterで見かけたので百選にも目を通し規範っぽい部分にマーカーを引いたりしましたが、結局重要な判例はアガルートの論証が網羅しているのでそれで十分だったと感じています。予備校論証にすら乗ってない百選は出てこないと思います。
・親族法が出題範囲に含まれているのは事実なので呉基礎本の親族法を読みアガルート論証の親族法も一応軽く覚えましたが、やはり出題されませんでした。過去問を遡ってもR6から数えて2〜3年は出題されていないと思います。おそらく。(それ以前はよく出題されていたのかな?)出題範囲に含まれる限り対策しなくていいとは思いませんが、数年前に受験された先輩方がおっしゃっているほど頻出ではない気がします。

○民事系2
会社法は設問2の語句説明が特徴的です。字数指定はここ数年でなくなっていると記憶しています。刑訴も字数指定はありませんでした。過去問と類似した内容が何度も出題されているので過去問をさらっておくのがいいと思います。余力があれば解答を作成してある程度覚えておくのも手かもしれません。初見の問題でも出題された条文をよく読みつつ会社法全体の趣旨に立ち返れば何かしらは書けると思います。
解いた過去問と同じような問題が出たのにうろ覚え中のうろ覚えで全然まともなことが書けませんでした。

民訴は知りません。

○刑事系
再三言われていることですが、刑訴は語句問題の方が配点が高いのでそちらから解きましょう。過去問と出題が被っているようなので過去問を全てさらっておいてある程度覚えておくと良いと思います。私も過去問遡れるだけ遡って確認しましたが、特に暗記しなかったので当日は結局条文そのままと論証利用で乗り切ることになりました。無駄な時間を過ごしたということですね。
あと当日わからない時はポケット六法の最後にある索引を利用するといいと思います。とりあえず条文をできるだけ引用してとりあえずなんか書く。
刑法は特に特徴もないと思いますが、刑事系は特に時間がタイトなので事前に時間配分を決めてそれを守ることを意識するべきだと思います。
かくいう私は刑法に時間を使いすぎて刑訴の論文問題がほとんど書けませんでした。それでも受かる。

○公法について
憲法はこれといった特徴はないと思います。R6はふつうに集会の自由が出ました。
個人的に行政法の出題傾向の定まらなさが気になりますが、出題傾向が定まっていない以上これといった対策はできませんでした。基本行政法の総論部分を抑えておけば基本は大丈夫なんじゃないかと思います。(R6年度入試では刑訴のアガCランク論証も必要でしたが…)
出題傾向自体は全く違うのですが、対策として神大ローの過去問に取り組みました。あちらは阪大ローと異なりそれなりに傾向があるので併願する人は神大ローの対策にもなりますし、神大行政法は基本的な概念の理解について深堀りしてくるような印象なので、基本書を読んだのみで理解したつもりになっていた部分の理解を深められた気がしました。(気がしていただけでした。私は行政法を何一つ理解していなかったということをロー入学後に実感しています。今も理解していないです。)

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