R6年度 関西国立ロースクール入試体験談


頼れる友人や先輩もいないロー入試において、先輩方の様々なブログやnoteに助けられたので、私もこれから受験される方の一助になれればと思い、ロー入試体験を書き残すことにしました。


令和6年度のロー入試の結果としては、京大ロー、阪大ロー、神大ロー全ての既修者コースから合格をいただくことができましたが、後述の通り私はまともに勉強を始めたのが遅く、ロースクール入試を意識し始めた頃にはとてもとても間に合いそうにない状況でした。というか間に合ってはいなかった。
早期から予備に向けてしっかり勉強されている方にとっては有益ではないかもしれませんが、ロー入試が不安な方の安心材料になることができれば嬉しいです。

目次の付け方がわからないので不要な部分は適宜読み飛ばしてください。

○前提(私個人の入試に関連する要素)
・私大法学部
・GPA2.6/4
・受験したのは全て既修者コース(および神大の法曹コース開放型)のみ

※GPAについて補足
法律科目に絞れば2.9/4ぐらいになったと思います。京大ローの書類点は280代後半でした。開示した中で自分より低い人に出会ってませんが、これでも合格点(総合)+10点以上はあったので、なんとか耐えたりもします。(後述しますが当日の出来も最悪でした)

○勉強開始時期
3回生の11月からアガルートを受講し始め、2月頃から本腰を入れました。予備試験は短答すら受験したことがありません。
一応私大の法曹コースに所属していましたがオンライン期間のレポートでほとんど単位を取得してしまっており、試験勉強すらしたことがなく、この時点でほぼ初学者と言って差し支えないレベルだったと思います。177条第三者定義が言えず憲民刑以外はほぼ何も知らないような状態で、刑訴や行政法に至ってはどういう内容の科目かすらほとんど知りませんでした。法曹コースといってもピンキリ。

○入試までの勉強量
勉強時間は6〜7時間/日を目安にしていましたが、全く勉強できない日もあったので、スタプラを見返すと平均は5時間弱/日でした。元々物量をこなせる方ではないので量より効率を重視しました。
ただ効率だけを重視することがロースクール経由で司法試験を受験する人間にとって必ずしも最善ではないとロー入学後は実感していますが、どこかしらのローに合格できなければ話にならないので当時の選択としては間違っていなかったと思っています。

全体として、絶対に間に合わないほどでもないけれど余裕はなかった、というのが個人的な感想です。少なくとも京大ローに外部から合格かれる方は皆さんもっと前からしっかり勉強されています。私の合格は一例ですし、何よりローに入学してから困るので、可能ならもっと早くから勉強を始めましょう。(すでに私のような状況の方は入試後もしっかり勉強しましょう)


○勉強方法
・全体
演習中心で、公法以外はアガルートの重問を答案構成で回しつつ論証ABを暗記し、最終的には重問を完璧にすることを目標にしていました。論証は長い理由づけまで一言一句丸暗記していました。理解できているならあの長さをそのまま覚えるのは不要だと思いますが、何もわかっていなかったので丸暗記するしかありませんでした。論証貼り付け金太郎飴答案でも条文を適示し三段論法を守りあてはめをしっかり書けばそれなりに評価されるようなのでロー入試単体で見るなら結果オーライです。
(丸暗記、といっても理解しつつ暗記するつもりでやってました。今となってはどの論点も本当に理解できていたわけではないと断言できますが、論理として一応理解する、というようなイメージです。)

・予備校の講義について
アガルートを受講していましたが、講義は論証集の使い方以外ほとんど視聴しませんでした。受講を始めた当初はアガルートのカリキュラムに従い総合講義から見ていましたが、そもそも映像授業適性がないため講義をずっと見続けられず、睡魔に襲われ、物思いに耽るため、倍速にしても視聴に規定以上の時間がかかり、民法の総合講義を一通り聞き終えた時点で2ヶ月以上経過しており、このままでは絶対に秋のロー入試には間に合わないことが明白だったためです。1月ぐらいまで普通に遊んでいたので勉強だけに集中していなかったのも大きい
民法以降は総合講義を見る代わりにストゥディアor呉基礎本をさらっと読み、その後重問を回すという方針に変更しました。いきなり重問に取り組もうとした科目もありましたが、知らない語句だらけで全体像も掴めていない状態では当然何一つ理解できなかったのでおすすめしません。

導入教材
民法→総合講義(入門書にすればよかったと思わなくはないものの、民法の場合それでも何冊も読むことになるので総合講義で悪くなかった気もします。京大ローに入学するのであればストゥディアがおすすめです。)
商法、民事訴訟法→ストゥディア
刑法→学部で他の科目よりはまだ触っていたのでなし
刑訴、憲法→基礎本
行政法→基本行政法(導入というか最後までこれ)

論証中の使い方についてはまだ見る気が起きたので(短い)公法以外は試聴しました。たまにhktの些細な一言が役に立ったり立たなかったりしたので、1人で勉強されている方は視聴されても良いかもしれません。
何度か、「長い方の論証はロースクール入試なんかで受けがいいかもしれませんね〜」というようなことを言っていましたが、長い論証を書く時間的余裕のあるロー入試がどこにあるのか聞きたいです。

・計画について
8月末までに行政法まで終わらせ9月から過去問に取り組むつもりで超ざっくり半月単位ほどで適当に予定を立てていましたが、もちろん遅延したので基本行政法の総論部分を読み通したのは9月前半、以下の通り過去問もほとんど起案しませんでした。

・過去問起案について
同じくロー入試を目指す友人も頼ることができる関係性の先輩も教授もいなかったので、他人に見てもらえないのに書いてもなぁ…と思ったのと、直前期の9,10月に起案して書けない問題に遭遇するのは精神衛生上よくないと考えたのでほとんど行いませんでした。(完全な逃げ)
とは言っても全く起案の経験がないのはまずいので、代わりにアガルートの添削システムを利用していました。(重問や論文答案の書き方講座についてるやつです。適当な添削者もいますが、たまに丁寧で、かつ、とてもためになる添削をしてくださる方がいました。)
少数ながら阪大・神大の過去問については検討・起案した科目もあります。京大は記念受験のつもりだったので目も通してません。
具体的には、神大は行政法が特徴的で似たような問題が出されるので2〜3年起案したのと、好きだったので気まぐれで刑法の起案もしましたが、刑法は慣れたら同じなので有益ではなかったと思います。もっと憲法や民法を起案するべきでした。

当日書くのが遅かったり、もたもたして答案構成もろくにできず答案用紙の半分ほどしか埋められなかった科目だらけだったので、過去問起案は必要だったと思います。(入試会場での気づき)(学習しないため同じことをローの期末でも繰り返す)

○最後に
勉強量は多ければ多い方がいいですし、その勉強量を確保するためにはなるべく早い時期から受験対策に取り組むべきですが、こんなレベルでもなんだかんだ間に合う例もあります。
京大に至ってはとある科目の試験範囲を全く勉強せずに受験しほとんど白紙に近い状態で提出し他の科目でも白紙設問を出すというありえない姿勢で挑みましたが、偏差値換算に助けられ上振れた科目で取り返すことができ、なんだかんだと合格することができました。(さすがに完全に白紙だと点数がつかないので足切りにかかると思います。一つだけ知っていたそんなに大きくない論点の論証を書きました。3時間暇だったので。さすがにイレギュラーな気がしますが開示を見て一応納得はできました。)


たまたま運良く全てのローに合格したのみで偉そうに語れることは何一つないのですが、諦めずに(まあ完全に諦めていましたが)受験してみると案外うまく行ったりすることもあるので、GPAの低さや範囲から受験を迷われている方でも試しに受験されてみることをおすすめします。(進学するローによって就活の幅が変わるので)
巷ではロー入試難化が囁かれ、1年前からでは間に合わないというような声が散見されます。何度も述べた通り早期から対策を始めるに越したことはないのですが、ロー入試に求められているレベルなら方法さえ間違えなければ短期間で巻き返すことも可能なので、ロースクールへ進学を決めるのが遅かった方や、私のように怠惰で受験勉強開始が遅れた方にとって、このnoteが少しでも安心材料になれると嬉しいです。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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