「タケシとヒロシ」のプレイがもっと楽しくなる!制作秘話公開。
「タケシとヒロシ」はNintendo SwitchとApple Arcadeで遊べるロールプレイングゲーム。(twitterでの反応をまとめたものはこちら。)
この記事では、「タケシとヒロシ」の制作秘話をまとめたデザイナーノートから、ネタバレにならない程度に、ゲームをもっと楽しめるかもしれない制作秘話をちょっとだけご紹介します!
ちなみにSwitch版は2020年12月31日まで期間限定セール20%OFFとなっていますので、気になる方はぜひ遊んでみてください。
1) ゲームクリエイターへの想いがつまった作品。
「タケシとヒロシ」は、ゲームクリエイターを目指すタケシが、病気がちな弟のヒロシのために、ゲームを作って楽しませてあげる、というストーリー。この設定は、多くのゲームクリエイターの原体験にあるであろう「身近な人を楽しませる」経験が発想の元になっています。
(佐)自分が小学校や中学校で、友達に自作のすごろくとか、サイコロで戦うゲゲームをやらせる時、その場でルールを加えてうまく勝たせるとか、無理やりやってたんですよね。
(渡)確かに、僕には3才下の弟がいるんですが、小学生のころ布団の中で、自分がRPG ジェネレーター的な役割になって、まさにそういうことやってましたね。棒があるけど拾う?とか言って、棒を拾ったら蛇が巻き付いてたよ、みたいな…。あれが「ゲームになる」ってことだったんだなって思いました。
(佐)そういうのってきっとゲーム作る人の体験にあって、琴線に触れるんですよね。
(タケシとヒロシ デザイナーノートP.5より)
ゲームパートでは、プレイヤーはタケシとなって、勇者(ヒロシ)にモンスターを繰り出します。勇者を倒してしまったらゲームオーバーなのですが、あまりに簡単すぎても、ヒロシは楽しんでくれません。適度にピンチな状況を作って、ヒロシをドキドキさせ「たのしさ」をあげることがゲームの目的となります。
(渡)こういう仕事をしていると、ゲームを作ることのゲーム性というのは日々感じるじゃないですか。作ってる側にもジレンマがありますよね。「ハラハラさせたいけどやりすぎかな」とか、「回復アイテムがあればギリギリいけるかな」「この仕掛けに気づいてくれるかな」「あからさますぎるのはダメだけどスルーされちゃうともっとダメ」…というジレンマ。それが実際にゲームになってるのを見たのは、初めてですね!
(タケシとヒロシ デザイナーノートP.4より)
つまり「タケシとヒロシ」は、ゲームクリエイターの原体験やジレンマを、そのままゲームにした作品なのです!ゲームを作る人にとっては共感できる部分が多く、また、そうでない人にとってはゲームクリエイターの気持ちを追体験できる、そんな作品です。
2) 物語を紡ぐ人形アニメーション。
「タケシとヒロシ」ドラマパートのアニメーションは、CGと思う方もいるかもしれませんが、実はこれ、コマ撮りで撮影した人形アニメーションです!
設定画から・・・
立体の人形や小物などが作られて・・・
それを1コマ1コマ動かして撮影し、つなげたものがアニメーションになっているのです。
ゲームに人形アニメが使われている作品はなかなかないですが・・・本作では、ゲーム内のゲームと、ゲーム内のストーリーを明確に区別するデザインとしても機能しています。心温まるストーリー、ポップだけどちょっと切ないBGM、そしてこの人形アニメーションが合わさって、とてもユニークで魅力的なドラマを生み出していると思います。タップでアニメーションを読み進める体験の面白さも、ぜひ感じてみてください。
3) ゲーム中に散りばめられたネタたち。
本作には、随所に様々なネタが散りばめられています。
(佐)ゲーム制作でやりがちなネタを、色々入れたかったんですよね。(中略)「日常からネタを引っ張ってきて入れちゃう」とか、「ゲーム作ってることを友達に揶揄される」とか、「ノートにモンスターの絵を描いてるのを馬鹿にされる」とか…。そういう自分がしてきた経験を、みんな多かれ少なかれしているんじゃないかと思って。そういう体験を物語に登場させたら、プレイヤーも自分のことのように感じて響いてくるんじゃないかな。
(渡)作中のゲーム世界と現実世界のリンクのさせ方もいいですよね。現実の方で仲間が加わると、ゲーム中にも仲間が増えるとか。(中略)このゲームはいたるところにドラクエオマージュが入ってると思うんですけど。(中略)ここはやっぱりドラクエ2の序盤を彷彿とさせますね。
(タケシとヒロシ デザイナーノートP.6より)
ゲームクリエイターあるあるを散りばめたストーリー。ゲームパートとドラマパートのリンク。そして、設定やデザインに隠されたドラクエオマージュ・・・。(これ以上はネタバレになるのでやめておきます)ぜひ、いくつ見つけられるか、楽しみながらプレイしてみてくださいね。
※引用文中(佐)は本ゲームのディレクター佐々木隼氏。(渡)はデザイナーノートでインタビュワーをしているドロッセルマイヤーズの渡辺範明氏。
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